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C.M.B.森羅博物館の事件目録(11)

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【ファイストスの円盤】船上での殺人事件。オーパーツといわれる円盤。 & 【初釜事件】300万円の黒楽茶碗は、どこへ消えたのか。 & 【丸〆猫】度重なる不幸な出来事と奪われた通帳。


タイトル C.M.B.森羅博物館の事件目録(11)
著者 加藤元浩
レーベル 講談社コミックス
初版発行 2009年6月17日


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あらすじ

ファイストスの円盤

時代的にありえない物品

マウのコレクションを見にギリシャにやってきた森羅。そこで見つけたのは「ファイストスの円盤」の印章。欲しがる森羅だったが、残念ながら売却がすでに決まっており──。


初釜事件

高価な茶碗

初釜をしに黒松邸を訪れた森羅。出されたのは、300万円はくだらない黒楽茶碗。しかしその黒楽茶碗が忽然と消えてしまう。箱の中には茶碗の代わりに、なぜかコマが入っており──。


丸〆猫

不幸を招く猫?

亡くなった妻との大切な思い出である丸〆猫。1人暮らしとなった平谷は、その猫を眺めながら家で塞ぎがちになってしまう。そんな彼に最近、不幸な出来事が次々と起こり始めて──。


—以下ネタバレ感想—

犯人、トリックについても言及しています。

ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。

ファイストスの円盤

ごめん兄貴……捨てられなかった……。

どうしてもあの海には……。

 

犯人は、パン。

兄貴のための犯行だった。

お兄さんを地獄から解放するための、弟による犯罪でした。

ここまで兄思いな人も、なかなかいないのではなかろうか。

舞台はギリシャでした。

ギリシャ
南ヨーロッパに位置する国。地中海文明発祥の地。世界中の文化に影響を与えた場所。

個人的にはギリシャといえば、オリンピックですかね。

海運王、という単語が出てきました。

海運
海上を利用した旅客輸送・貨物輸送。

海運王で検索すると最初に出てくるのは、アリストテレス・オナシス。ギリシャ人のようだし、この話に出てくる人物のモデルだろうか。

ファイストスの円盤も登場。

ファイストスの円盤
1908年にクレタ島のファイストス神殿で発見された、粘土製の考古学上の遺物。オーパーツとされる。
オーパーツ
それらが発見された場所や時代とはまったくそぐわないと考えられる物品。

紀元前1600年に、活字版が存在していた証拠になるかもしれないらしい。もっとも、同じ文字で書かれた物品が他にないため、文字の解読はできないらしいが。

絵文字に当てはまる字がわからないのではなく、答えが多すぎるから解き明かせないというのはちょっと面白い。

そもそも文法ですら定かではないものを解明するのは、どれほどの時間が必要なんだ。まさしく雲をつかむような話だろう。

ユーロポールのキャラも登場。

ユーロポール
欧州刑事警察機構。欧州連合の専門機関の一つ。

この間はインターポール(偽物だったけど)で、今回はユーロポールでした。いやぁ、国際色豊かだなぁ。

マウはユーロポールに目を付けられているらしい。わりと露出が激しいし、当然といえばそうかもしれない。

 

ハリ
ハリ

特に変装とかしないしね。

 

トリックは、銃声のごまかし。

私は銃をぶっ放したことはないけど、2丁同時に射撃するのは結構簡単なのだろうか。

海を愛しているからこそ、証拠である拳銃を捨てることができなかったパン。推理の証拠品を出すための設定だろうけど、なかなか情緒にあふれてて好き。

でも「証拠はあるのか?」というコマだけ、なぜあんなにホラー調なんだ(笑)。


初釜事件

手に入れたいいもの他人に見せるときは、加減が難しいな。

 

犯人は、浅野。

すぐ自慢する友人をちょっとこらしめるためのイタズラだった。

姉妹作Q.E.D.シリーズの主人公とヒロインが少し登場。残念ながら森羅たちとは、入れ違いで会えませんでした。

初釜、の最中に起きた事件でした。

初釜
お正月にやるお茶会のこと。

茶会とか出席したことないし、そもそも行きたいとは思わないなぁ。正直、面倒そう。

床の間には様々な物品が置いてありました。

鳶凧
とんびだこ。日本最古のものといわれる。
左義長羽子板
さぎちょうはごいた。室町時代に、陰陽師が儀式に用いたもの。
江戸曲独楽
えどきょくごま。曲芸に使う。

トリックで使われたのは、ジャイロ効果。

ジャイロ効果
物体が自転運動をすると(自転が高速なほど)姿勢を乱されにくくなる現象。

独楽の重さ自体は変わらないのに、抵抗力のせいで重いと錯覚するらしい。

なかなか興味深いが、振動とかはしないのだろうか。

独楽を回すのも大変そう。いや、あの年代の方々なら案外みんな、独楽にはなれているのかもしれない。

人に自慢するのは、非常に難しい。ツイッターでガチャ自慢すると、よきせぬ炎上を招く現代ではなおさら。

凧とは羽子板の特注品というのは、お値段はいかほどなのだろうか。検索してもうまく調べられなかったが、まぁ高価なものなのは想像に難くない。

そんなものをほいほいともらう森羅は、なかなかいい性格している。


丸〆猫

あの子は私に無理にでも、外に出るきっかけを作ろうとしてくれたんだ。

部屋の中で丸〆猫ばかり眺めていないように……。

 

犯人は、川村。

現金と通帳を盗むため、色々工作していたのだった。

心配している風を装って、なかなか業突く張りな家政婦のお話でした。

奥さんを失くして傷心状態のおじいさんに、さらに追い打ちをかけるかのような窃盗。殺人事件ではないとはいえ、なかなか非道な犯人じゃね?

話の中心になったのは、丸〆猫。

丸〆猫
今戸焼、今戸人形の招き猫。現在までのところ造形物として実在する最古の招き猫、あるいは遡ることのできる招き猫の起源。

泣く泣く愛猫を手放した老夫婦。夢枕に現れたその猫の言葉に従い、土人形の猫を売り出したら大盛況となったらしい。

それはいいのだが、作中に出てくる丸〆猫はなんであんなホラーチックなんだ(笑)。普通に怖い。まぁ何度も出てくるから、ちょっと笑っちゃったけど。

井伊直孝を助けた猫をモデルにしたゆるキャラもいるみたいですね。

森羅が猫をもらったのは、おじいちゃんに外出する機会を与えるため。いくらいつもなポワンとしている森羅でも、人の思い出を傷つけるようなことはしませんね。

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