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Q.E.D.証明終了(14)

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【夏休み事件】水原を襲ったバスケットボールはどうやって飛んできたのか? & 【イレギュラーバウンド】事件現場はどこ? 移動した被害者の行動の秘密とは。


タイトル Q.E.D.証明終了(14)
著者 加藤元浩
レーベル 講談社コミックス
初版発行 2003年1月17日
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あらすじ

夏休み事件

誰もいないのに飛んできたボール

剣道部の活動をしている水原は、校舎の外にある剣道場で汗を流していた。そこに突然、外からバスケットボールが飛来。ボールは窓に直撃し、派手にガラスをぶち破る。先輩をかばって突き飛ばした水原は、受け身に失敗。手首にケガを負う。外に飛び出る剣道部員たち。しかしそこには誰もいない。犯人を捜し始める燈馬。すると最近、学校でおかしなことが多発していて──。


イレギュラーバウンド

移動した被害者

とある空港。小型飛行機の近くで、倒れている豊田が発見され救急車で運ばれた。捜査していると、奇妙な事実が発覚。なんと操縦かんに、豊田の血痕がついていたのだ。つまり豊田は離陸前に刺され、そのまま自力で操縦し、着陸後倒れた疑いがあった。容疑者は、豊田の息子。そして里見。里見と燈馬たちは面識があった。先週やった草野球の対戦相手のメンバーであり──。


—以下ネタバレ感想—

犯人、トリックについても言及しています。

ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。

夏休み事件

そこまで気を遣う必要はないですよ。被害者ならちゃんといましたから。

 

犯人は、新聞部の押尾。

好きな女の子と彼氏を別れさせるための、悪だくみだった。

今回の巻は2つとも、表には出さない燈馬の心情が描かれていましたね。

3階にいた押尾が剣道場にボールを飛ばした方法は、3階から投げた。

押尾は廊下の落書きを目印に、バスケットボールを思いっきり投げた。壁を跳ね返ったボールは階段へ落ち、2階、1階へと落ち続ける。

ボールはそのまま外に飛び出て剣道場の窓をぶち破ったのだった。

高い位置から落とす力が加わったボールは、人間では不可能なほどの破壊力をおびて飛んで行ったのだ。

綿密に計画を立て、ボールの動きをパソコンでシミュレートまでしていた押尾。

いや、面倒すぎるでしょ(笑)。

ボールの動きに関してはとくにツッコみません。ミステリーに出てくる都合のいい毒薬みたいなもんですよ。深く考えないほうが楽しめるし、読む側のマナーってもんです。

盛大な計画に反して、目的は好きな女の子をフリーにするためだそうで……。新聞部なんだからちゃんと言葉にして伝えればいいものを。

なまじ頭が回るだけに、こんな七面倒なことを実行してしまったのかもしれませんね。思春期の男子高校生が、親友の彼女を好きになっちゃうと大変ですなぁ。

 

ハリ
ハリ

三角関係ものも、ハリは好き。

 

今回の見どころは、静かに怒る燈馬でしょうか。

水原本人は気にしていませんが、ケガをさせられた彼女は正真正銘の被害者。

燈馬が犯人に情けをかける理由がありません。

ちょっとくらい恥かかされるだけで許してもらえるなら、安いってもんでしょう。


イレギュラーバウンド

「オッカムの剃刀」を知っていますか?

余計な憶測や余談をカミソリで削るように省いてゆけば、やがて真実が現れるという考え方のことです。つまり1番単純な答えが……1番真実に近いということです。

 

豊田にケガをさせたのは、息子。

お金を盗んだのは、里見。

いっけん複雑に見える事件だったが、実は単純明快。

スキを見て里見が豊田のお金を隠す。豊田はそれを息子が盗んだものと勘違い、息子と口論に。息子は持っていたナイフで、父親を刺してしまったのだ。

息子をかばうため、豊田はケガをした状態で小型飛行機を運行。到着した空港で倒れてしまった。

さぁひっかけだ、ひっかけてやるぞ、という作者の意気込みが聞こえてきそうな作品でしたね(笑)。まぁわざとそういう表現にしたのかもしれませんが。

事前に秘書にスケジュールを確認したとはいえ、お金をせびるために離陸前の空港にわざわざ足を運ぶ息子。それは効率的にはどうなのだろう。

自分で刺してしまった父親の容態が気になって、わざわざ電車で追いかける息子。仲が悪いとはいえ、血の繋がりは無情ではいられないということか。

今回の話のキーワードは、父親、でしょうか。

事件が解決し、お互いキャッチボールをするまでになった豊田親子。

里見と今は亡き父との思い出。

そして燈馬のつたないピッチングに対して、「ナイスピッチング」と言ってくれた水原警部。

普段父親が近くにいない燈馬は、うれしかったでしょうね。疲れた水原警部を見て自分から、事件に積極的に関わろうとします。

最初は、「事件を調べてみないと」と意気込んでいた水原に対して、「気の済むまでガンバってください」、なんて流していたあの燈馬がですよ。

なんとも、いじらしいじゃありませんか。

そういえば無事、燈馬はもんじゃ焼きにありつけましたね。だまされて変なもの食べされられなくてよかったよかった。

以上、Q.E.D.証明終了。

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