スポンサーリンク

Q.E.D.証明終了(15)

マンガ
スポンサーリンク

【ガラスの部屋】殺害されたアンプ好きな爺さんの残した秘密。 & 【デデキントの切断】MIT数学科教授の部屋が何度も荒らされる理由とは?


タイトル Q.E.D.証明終了(15)
著者 加藤元浩
レーベル 講談社コミックス
初版発行 2003年5月16日
スポンサーリンク

あらすじ

ガラスの部屋

密室で死んだアンプマニア

アンプを自作するじいさんが、密室で殺害された。正確にいうと、ドアに鍵はかかっていなかったが、ドアの外に常に人がいたので、疑似密室状態で殺された。容疑者は4人。じいさんの息子の奥さん。アンプ趣味仲間。ホームヘルパー。食品会社社長。じいさんの部屋は2階。庭にテグスが。木をつたって窓に近づき、テグスで開閉したのではないか、という推理がなされたが──。


デデキントの切断

短気な数学教授、来日

少し前のこと。MIT数学教授、ドーン教授の部屋が荒らされた。本棚から本が落とされ、ごみ箱はひっくり返され見るも無残。対策をしても部屋は荒らされてしまう。現金は盗まれ、買ったばかりの花瓶も割られた。ドーンには、優秀な助手がいた。名前はジョン。ドーンの論文を書き換えようとしたことから、助手をクビに。ドーンは、犯人はョンなのではないかと考えていたが──。


—以下ネタバレ感想—

犯人、トリックについても言及しています。

ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。

ガラスの部屋

まぁお前が進学する頃には贈り物の1つもやるさ。

ただし。ワシの趣味がわかるようにならなきゃダメだ。

 

犯人は、食品会社社長。

資金の引き上げを止めるための犯行だった。

じいさんの部屋のドアの蝶番は普通より大きく、ドアを開けると隙間がかなりできる。

社長はそこから手を差し込み、じいさんを殺したのだった。

そんなドアあるんかーい、とたぶんみんなツッコんだのではなかろうか。いや、私が知らないだけで普通にあるのかもしれないけども。

小学生のころ、友人宅の玄関のドアに思いっきり小指をはさまれたことあったなぁ。あれは痛かった。

テグスを使って窓からの侵入はできないと燈馬が見破ったのは、逃走時窓を閉めるとき、手が下まで届かないため。木の枝が窓の鍵より上にあるので、物理的に不可能なのだ。

 

ハリ
ハリ

そんなに手、伸びないもんね!

 

じいさんは自分の趣味を、誰かにわかってほしかった。わざと抜いておいたアンプ。それを誰かに指摘してほしかったのだ。そこに正規のアンプを差し、上から除くと数字が見て取れる。

アンプ
増幅器のこと。楽器用のアンプとは、電気楽器や電子楽器と組み合わせる時に便利なように設計・製造されたもの。

それは銀行の隠し口座の番号だった。じいさんは大金をちゃんと、残しておいてくれたのだった。

『弁当代』と称して、ちゃんと大金をあげるじいちゃん。なかなか粋なことをしますね。ンプの趣味は理解できないけども。

音楽には疎くてよくわからないけど、あんな傷で音声が残ることなんてあるんですかね。下手なトリックよりよっぽど不思議だ。

犯人はあきらめたけど、あの音声はケンカの証拠にはなったものの、殺人の決定的な証拠にはならんのでは? と思わなくもない。

いやまぁ、ケンカしてないという主張がひっくり返るわけだから、それはつまり殺人に至ったのではないかという、推理の根拠にはなるからいいのかな。

ていよく大掃除から逃げ出す、燈馬と水原。さすがですな。

大晦日、普通に水原家で過ごす燈馬。もはや家族の一員と化してますよ。


デデキントの切断

ふざけおって! 私の地位と功績を羨んだだと!

私の地位と功績を……羨んで……か……。

 

部屋を荒らした犯人は、ドーン教授本人。

教授には記憶障害があった。

怒り狂うとステッキを振り回す教授。しかし部屋を荒らしまわった記憶がすっぽりと抜け落ちてしまうため、助手だったジョンがやったという被害妄想に取りつかれていたのだ。

はた迷惑なじいさんの話、と一言では言えないかもしれませんね。記憶障害は誰にでもおこりうる症状ですし。

出だしで「新東京国際空なのに東京にないじゃないか」と教授にしゃべらせ、締めにまったく同じことを言わせる表現方法はうまい。

それと同時になんとも物悲しくなりますな。MIT教授という立場のある人でも、記憶障害には勝てないということが。

ロキの「……そうですね」という返答。そして「まだまだ若い者には負けん」という教授を見つめるロキの視線が印象的ですねぇ。

ジョンが教授の論文に手を付けたのも、論旨の穴を見つけそれを修正していただけだった。

 

ハリ
ハリ

ジョンさんは、教授を尊敬してたんだよね。

 

教授の記憶がとびとびになっていて隙間があることの例えで、燈馬はデデキントの切断と言ってしまったのだ。

デデキントの切断
数学の実数論において用いられる考え方。

消えたお金は自分で花瓶を買っただけだった、というシンプルながらなかなか面白い表現だなと思いました。

デデキントの切断に関しては……ぶっちゃけよくわからない。かなりかみ砕いて説明してくれているのだろうが、私には理解不能ですわ。

水原の境地がよくわかる。「あんた達、気を付けてしゃべんないと人が死ぬわよ」「たし算とひき算だけできりゃいいと思わない?」

記憶障害をデデキントの切断に例えてしまった燈馬のミス。それを自分が部屋を荒らした犯人として名乗り出ることで帳消しにした、そんなお話でございました。

以上、Q.E.D.証明終了。

コメント