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Q.E.D.証明終了(12)

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【銀河の片隅にて】宇宙人は存在するのか? 奇妙な宇宙人の絵の消失事件。 & 【虹の鏡】アニー・クレイナー射殺事件に隠された本当の真実とは。


タイトル Q.E.D.証明終了(12)
著者 加藤元浩
レーベル 講談社コミックス
初版発行 2002年4月17日
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あらすじ

銀河の片隅にて

消えた不思議な絵の謎

テレビ討論会で、宇宙人が存在するかどうかを言い合っていた。否定派が「宇宙人の存在する証拠を出せ」と言うと、肯定派のUFO研究家が1つの絵を取り出す。そこには奇妙な人間が描かれていた。UFO研究家は、アメリカのある青年が描いた宇宙人の絵、と言う。スタジオが失笑に包まれる中、否定派の教授がこんなことを呟いた。「この宇宙人の絵、興味深いな……」と──。


虹の鏡

5年前の事件、再び

アメリカの刑務所で、メアリーが毒殺された。5年前、アニーを撃った女性だ。メアリーが死んだとき、彼女と面会していたのは燈馬。釈放された燈馬は行方不明に。水原は燈馬の妹、優とロキと合流。3人は、行方不明の燈馬を探す。3人は、5年前の事件に関係ある人物を訪ねた。そんなおり、5年前、アニーと争った相手弁護士が重症を負う。さらにセアラまでもが殺害され──。


—以下ネタバレ感想—

犯人、トリックについても言及しています。

ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。

銀河の片隅にて

つまりジョンバール分岐点は、別の世界の生まれるところ。

君はいつもその分岐点で人の運命を変えてきたんじゃないかね?

君がいなければ生まれるはずのなかった不幸が──。

 

絵を盗んだのは、UFO嫌いな教授。

教授が絵を盗んだ理由は、あれが『ブリハット・カター』の一部に似ていたから。

ブリハット・カター
インド神話を伝える超大作。今はもう失われたといわれる幻の本。

教授はそのサインを確認し絵を描いた人物に会いたかった。またこれに気がつく人が広まらないように絵を盗んだのだった。

この本では燈馬と水原、2人の関係がだいぶ加速したなぁ、という印象。

燈馬の顔色が悪いから、自宅に招き料理をふるまうという水原。そりゃ、クラスメイトからしたら付き合っているようにしかみえませんわ。

2人の関係を疑うともれなく、水原から鉄拳が飛んできます。マンガ的表現とはいえ、マジモンの鉄の拳が飛んできたのは笑った。

悔しかったのは苦し紛れなのか、犯人はジョンバール分岐点を持ち出し、燈馬にひどいことを言おうとします。

ジョンバール分岐点
SF用語で、歴史的重要場面に干渉したとき、別の歴史が生まれること。

それを黙らせる水原の一撃。この娘、まじイケメン。

事件の内容に関しては、よくわからんの一言。

こういうパズル問題、苦手。というか、絵の移し替えは誰かに見られるやろ~、と思ってしまう。

最初にブリハット・カターらしきものがうつった大ゴマに、さりげなくトランクの伏線を張っているのはお見事。


虹の鏡

私は法の世界に生きてきた。そしてなしえた仕事には自信がある。

だからあの子の死に責任がある者は、すでに法の制裁を受けているはずなのだ。

だが君は違う。だからここにいるのだ。責任を感じる必要などない!

君は生き残ったのだ。後は君の役割を果たせばいい。

 

犯人は、アニーの父親。

一連の事件を起こした理由は、アニーの復讐。そしてどこかに雲隠れしたアニーを探し出すため。

事件がニュースになれば、燈馬が捕まったことがアニーに伝わる。

父親はアニーにこう警告したのだ。”出てこなければ、この少年が犠牲になるぞ”と。

生きてるんかーい、というのが第一の感想(笑)。

いや、まぁいいんですけどね。アニーはキャラとして結構好きなので、生存はうれしいかぎり。

ただ10巻で語られた『魔女の手の中に』は、あれはあれでキレイに完結していたので、別の結末をこうして迎えるのは戸惑うかも。特にアニーの死は、燈馬の人生観を変える出来事だったのでなおさら。

少し形は違いますが、『金田一少年の殺人』のように、主人公が行く先々で殺人がおこり、容疑がこちらに向く展開はサスペンス的で面白いですよね。

アニーの弟のセリフの中に、父親の背格好が小さいことをさりげなく匂わすのはお見事。

メアリーと燈馬、どっちが死んでもかまわなかった、というのは恐ろしい。

アニーを救えなかった燈馬は、アニーの父親にとって殺人リストに載っている人物の1人。

 

ハリ
ハリ

逆恨みだよぉ……。

 

もし燈馬が死んだら、他の人間を燈馬の代わりにする準備すらしていた。なんとも怖いお方でした。

事件内容はさておいて、個人的に1番印象に残っているのがラストのシーン。

アニーに頬にキスされ戸惑う燈馬。イジワルするのはやめた、と水原に会う前に頬のキスマークを消すようにいうアニー。

そしていつもはなにかあったらすぐ鉄拳制裁する水原が、一番に燈馬に抱き着く場面。

「無事でよかった!」の一言が胸に響きます。

もうちょっと先のコマも見たかった、と思わなくもないですが、余韻を残すという意味ではここで切るのがベストかもしれませんね。

以上、Q.E.D.証明終了。

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