スポンサーリンク

Q.E.D.証明終了(11)

マンガ
スポンサーリンク

【寄る辺の海】いったい誰に罪があったのか。40年前の海難事故の真実とは。 & 【冬の動物園】小説家を目指した男の末路。トリックのとんでもない欠陥。


タイトル Q.E.D.証明終了(11)
著者 加藤元浩
レーベル 講談社コミックス
初版発行 2001年11月16日
スポンサーリンク

あらすじ

寄る辺の海

子供の危険な遊び

40年前、ある海難事故で1人の少年が亡くなった。浜辺から2km先にある馬の形をした要石、通称”馬岩”。米川、関口、筏(いかだ)、内藤良介の4人の少年は夜、そこに向けて泳いでいた。夜の海で泳いではいけない、という大人の言いつけを破った遊びだった。3人は馬岩に到着するが、内藤の姿が見えない。翌朝、内藤は、遺体となって海岸に打ち上げられていて──。


冬の動物園

幽霊の視点

幽霊の視点がある話。ある動物園に男性の死体があった。5時には死体がなかったことが確認されているが、その10分後、突如死体が現れたらしい。死んでいたのは出版社編集、横取。その報道が書かれた新聞記事の下には、都内で飛び降り自殺した男性、下津見(したつみ)の記事もあった。下津見は推理小説家希望であり、出版社に何度も持ち込みをしていていたのだが──。


—以下ネタバレ感想—

犯人、トリックについても言及しています。

ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。

寄る辺の海

良介は私の1番の親友だった。いつも一緒に遊んで……いつも私をかばってくれた。

だがもう忘れさせてほしいんだ!!

 

犯人は、筏。

筏は殺害した米川を小さい舟に乗せ、馬岩のほうに向けて放した。船底に穴があけられた舟は沈みながら前進。馬岩まで米川を運んでいった。

河口に沈んでいた舟は、沈む時間を計算するために筏が実験したものだった。

 

ハリ
ハリ

トリックに手間かけるなぁ。

なんとも後味の悪い事故です。

40年前の事故の真実。4人は馬岩に行く前、こんなことを約束していました。

『最初に逃げたやつを、みんなで沈める』。

子供ならではの、お遊び的な約束のはずだったんですよね。

亡くなった内藤が最初に逃げたため、3人は彼を遊び半分で沈めたと。もちろん、ふざけて沈めただけで、本気で殺そうとしたわけではなかった。

しかし結果、内藤は死亡。しかもこれにはさらに、裏の真実が隠されていました。

内藤は筏を気遣って、最後尾で泳いでいた。体力的にきつくなった筏はとっさに、こう叫んだのだ。

『良介が逃げたぞ!!』と。悪気があったわけではなかったのでしょうがね。

最初に逃げたやつはみんなに沈められる。これで内藤は、3人により海へと沈められたのだ。

怒り狂う内藤の父親だった、が。そもそも”馬岩に泳いでいこうぜ”、と提案したのは内藤でした。

それは内藤の父親が息子に、馬岩までいけることを教えたのが原因でした。

はたして誰が1番悪かったのか……。

父親もまさか、自分の教えが遠因だとは思ってなかったでしょうね。事実を知って膝をつく父親にかける言葉がありません。

燈馬も言いました。

「いったい誰に罪があったのか」と。

父親が変な遊びを教えなければ、内藤が馬岩に行こうと提案しなければ、筏が余計なことを言わなければ、逃げたやつを沈めるなんて言わなければ、そもそも誰かが馬岩に行くのを止めていたら、内藤が死ぬことはなかったかもしれない。

まぁ米川を殺した筏には、同情の余地はない。というかこの人、関口まで殺そうとしてますからね。これで校長になろうっていうんだから、世の中恐ろしい。


冬の動物園

動物園に行こう 動物園に行こう 動物園に行こう 動物園に行こう 動物園に行こう

 

犯人は、下津見。

自分の考えた大切なトリックのために、編集である横取を殺したのだ。

殺人事件ですが、全体的にギャグ調です。

トリックも、コミカル方向に偏ってましたね。

酒に酔わせた横取を、動物園のライオンの檻に入れ、毒蛇ヤマカガシをかませ殺害。

ヤマカガシ
毒蛇。1970年代まで、毒があるという事が知られていなかった。

毒蛇をマングースで処理。マングースはライオンに食わせ証拠を隠滅。

これをライオンの檻で行ったのは、誰かにトリックをわかってほしかったからでした。

しかしこれには重大な欠陥がありました。

ライオンにマングースを食べさせても、骨が残ってしまうのだ。これでは完全犯罪は不可能。

まぁそりゃね。残るよね。

トリックの内容もいつもと違いコントテイストですね。まぁ幽霊が右往左往するお話で、ガチンコのトリックはふさわしくないかもしれません。

と、見せかけて。

途中までの叙述トリックには、引っかかった人は多いのではないでしょうか。

『お前が毒蛇で死んだんじゃないのかい!』と(笑)。

つたないとはいえ、自分で一生懸命考えたトリックを流用されるのは我慢ならないでしょう。下津見の動機には納得できます。

水原を動物園へといざなう方法が、また強引でしたね(笑)。

動物園動物園動物園、と。

夢枕にまで立たれたら、そりゃ行かざるを得ないでしょうね。

ナチュラルに燈馬と水原、2人っきりで動物園に行ってますが、もうこれはデート以外のなにものでもないですな。いいぞ、もっとやれ。

以上、Q.E.D.証明終了。

コメント