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C.M.B.森羅博物館の事件目録(34)

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【消滅飛行】空路開拓が本格化した頃に起きた、飛行機墜落事故。 & 【マリアナの幻想】アマゾンの森に住まう美しい魔女。 & 【古屋】とある田舎での出来事。奇行の目立つ周辺住民の謎。


タイトル C.M.B.森羅博物館の事件目録(34)
著者 加藤元浩
レーベル 講談社コミックス
初版発行 2017年2月17日


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あらすじ

消滅飛行

消えた飛行機

空路での貨物輸送が始まった時代。とある飛行機が空輸中に墜落した。付近を捜索すると積み荷は無事だったのだがパイロットは亡くなっており、さらに飛行機自体が消滅していて──。


マリアナの幻想

美しい魔女

祖父が突然エクアドルに行ってしまった神部。森羅と七瀬の3人でエクアドルに向かう事に。どうやら神部の祖父、守生は昔、ブラジルに渡って労働していた事があったようで──。


古屋

村人が冷たい理由

パン屋を開く事を夢見て、とある田舎にやって来た瀬戸。地主と話をしたところ、なんとタダで家を貸してくれるという。しかし周りの住民の様子がどうもおかしく──。


—以下ネタバレ感想—

犯人、トリックについても言及しています。

ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。

消滅飛行

あの整備士の男はたいした執念だったよ。

あんたらをここに呼んだのは……あの男なんだろうな。

 

消えた飛行機の謎を追うお話。

今でこそ安全に空を飛び回っている飛行機ですが、開発段階では事故も多かったんでしょうね。そう思うと、技術の進歩ってすごい。

飛行機が落ちた理由は、フラッター現象。

フラッター現象
橋やその他の構造物、特に高速飛行中の飛行機の翼や胴体などが、風や気流のエネルギーを受けて起こす破壊的な振動。

共振、とはまた別なのかな?

洞窟のトリックは、黒体。

黒体
完全放射体とも。外部から入射する電磁波を、あらゆる波長にわたって完全に吸収し、また熱放射できる物体。

あの洞窟の通路を覆いつくす量の炭を用意するのは、大変だったろうに……。よー、やるわ。

各務のじいちゃんは、真実を知れずに逝ってしまって残念でしたね。


マリアナの幻想

ワシも魔術にかけられていたんだと……。

知らぬうちにマリアナの幻想の中にいたんだ。

 

1ページ目から女性のまっぱという、ある意味衝撃的なお話。

話の舞台は、エクアドル。

エクアドル
南アメリカ西部に位置する共和制国家。

守生が置いていったのは、パチャママのお守り。

パチャママ
アンデスの古い神話にあらわれる代表的な女神。
生命の木
リグナムバイタと呼ばれる中南米の樹木。世界一重い木材と言われる。

匂いかいだだけで判別できる森羅はさすが。

戦後の南米では、日本が勝ったのか負けたのかの情報が正確に伝わっていなかった。

勝ち組
1945年8月のポツダム宣言受諾後も、日本の敗北を信ぜず、「日本は戦争に勝った」と信じていた在外日本人のグループ。
負け組
第二次世界大戦後「日本は戦争に負けた」と信じていた日系移民のこと。

戦争の勝敗が分からない事なんてあるのか? と一瞬疑問に思ったけど、だだっ広い大地で情報を断たれたら、確かに判別のしようがないか。

塔を上る階段、怖すぎないか? 高所恐怖症の私では、絶対登り切れないわ。

70年間待ち続けるのも、そんな彼女のために自ら死を選ぶのも、友人を殺して埋めるのも正直理解しがたい。魔術、おそるべし。


古屋

これからは賃貸契約があるから、堂々と直してもらえる。

 

人の良さそうな地主が、実はとんでもない奴だったお話。

タダより高いものはない、とはよく言ったもの。無料で借りて修繕だけさせられ追い出されるとか、ムダ金もいいところだ。

 

ハリ
ハリ

親切そうな人だったのに……。

 

直させて追放するというのは結構上手い手かもしれないが、あんまりやりすぎるとSNSですぐ拡散されそうではある。

森羅が見に来ていたのは、シノノメサカタザメ。

シノノメサカタザメ
シノノメサカタザメ科に属するエイの一種。

サメと名付けられているが、本当はエイだそうだ。なんて紛らわしい。

一見冷たいように思えた大工の伊勢は、ちゃんと賃貸契約を結べとアドバイスしていたんですね。再読すると意味がよくわかるのは面白い。

村の人たちからも歓迎されているようだし、きっとこのパン屋は繁盛するでしょうね。

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