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C.M.B.森羅博物館の事件目録(2)

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【青いビル】存在しない青いビル。目撃者の見たものの正体とは。 & 【呪いの面】持ち主を死に追いやる能面。密室殺人の謎。


タイトル C.M.B.森羅博物館の事件目録(2)
著者 加藤元浩
レーベル 講談社コミックス
初版発行 2006年5月17日


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あらすじ

青いビル

石が飛んできた場所は

学校への編入試験を受けることになった森羅。試験に受かった森羅はなんと、七瀬と同じクラスに入ることに。同時期、とある団地で傷害事件が発生する。3階に住む大場の部屋に、石が投げ込まれたのだ。彼は命に別状はないが入院することに。「1番下の階、右側の部屋の人が犯人です」目撃者と思わしき人物から警察に手紙が届くも、その部屋には現在誰も住んでおらず──。


呪いの面

密室殺人と能面

博物館を訪れた民俗学者、山岸から手にした者が死ぬお面”の話を聞いた森羅。彼は山岸と七瀬を連れ、そのお面のあるアトリエへ向かうことに。そのアトリエは天才面打ちであり、そのお面の制作者でもある安房の屋敷。「あの面にはワシの邪念がこもっとる」そう森羅にはっきり言った安房は、朝になってもアトリエから出てこない。外の窓から覗くと、室内で彼が倒れており──。


—以下ネタバレ感想—

犯人、トリックについても言及しています。

ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。

青いビル

動物も植物も……。

ほんの小さな違いで別の新種になることがある……。

”たったそれだけ”。でもそれが全てだってこともある。

 

犯人は、内村。

いつも先にあいさつをされてしまうことを根に持っての犯行だった。

ぶっとんだ動機による犯罪でした。あいさつは早い者勝ちじゃないんだから……と思ってしまいますが、当人にとっては重大な事柄だったのでしょうね。大場さんは、とばっちりもいいところですが。

推理作品にとって、動機は重大案件ではありますが、わりとどうとでもなる事柄でもありますよね。犯人が一般的な感覚とズレていようが、それが犯行に至る理由だと主張すれば、読者はなるほどと思う他ありませんし……。

カワセミやズグロモリモズ、カレドニアガラスなどの動物が出てきました。

カワセミ
水辺に生息する小鳥。青い鳥だが、青い色素を持っていない。羽の構造が特別で、青の光を強く反射するようにできている。これを構造色という。
ズグロモリモズ
ニューギニアなどに住まう鳥。世界で初めて発見された”毒を持つ”鳥。
カレドニアガラス
ニューカレドニアに分布するカラス。道具を使うカラスとして有名。

2巻目にして、森羅の知識が爆発。このように彼は動植物に関する知識は、膨大に持ち合わせています。その変わり、常識レベルの日常知識が欠落している場面もありますが……。

天体望遠鏡は上下が逆さまになるというのは、常識なのだろうか。私は知らなかったけれど……。”宇宙に上下はないから”という理由は、わりとロマンチックかもしれない。

暴言を吐かれまくって、ついに堪忍袋の緒が切れた七瀬。ヒロインにあるまじき般若顔を晒しております。森羅、その袋は拾っちゃあかん。

こういうのは無粋かもしれないが、普通に考えれば、被害者の上の階に住む住人が1番怪しくね?


呪いの面

美しい物を見たければ、美術館に行けばいい。

でも僕の博物館は、生も死も飲み込む。

 

犯人は、榎本。

山岸が殺人犯になることを阻止するための犯行だった。

大事な人が殺人を犯さないため、自分が先に安房を亡き者にしたという、悲しいお話でした。

能面って、実物は見たことないかもしれない。

能面
能楽で使用するお面。

この手のものに呪いがつきものなのは、なぜなのか。

密室のトリックは、隙間の利用。

警察はもっとちゃんと調べろよ、と思わなくもないが、個人的には結構好きなトリック。盲点を突いている感じでいいね。隙間風などの伏線もちゃんと張ってあるし。

呪いのかけ方は、現実世界でも通用しそうな方法かもしれない。ネットの発達した現代社会だったら、山岸のお父さんめちゃくちゃ叩かれるんでしょうな。

というか、安房は山岸のお父さんの何が気に入らなかったのだろうか。

2巻目にしてだいぶサービスシーンが豪華だったかな。姉妹作『Q.E.D.証明終了』の方ではあまりない、お風呂のシーンが。

 

ハリ
ハリ

お色気シーンは、重要……。

 

『山羊は常に山に登る』、というセリフが何度も登場しました。

まったく今作と関係ないけど、マジック・ザ・ギャザリングというカードゲームをご存知でしょうか? 世界的に展開しているカードゲームです。

学生時代私もやっていたのですが、友人がデッキの中に、たいして強くはない”シロイワヤギ”というクリーチャーカードを1枚、かたくなに入れ続けていました。シロイワヤギは、”山渡り”という能力を有しています。

榎本のセリフを読んで、なぜかそのことを思い出してしまった。

気持ち悪い能面を博物館に飾ることを、七瀬は大反対していましたが、

「僕の博物館は、生も死も飲み込む」

という森羅の発言にトゥンクしてしまいます。

子供のような見た目の森羅ですが、考えるべきことはちゃんと考えているんですよね。

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