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Q.E.D.iff -証明終了-(8)

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【海辺の目撃者】信頼できない語り手? 殺された貸金業者。 & 【白いカラス】遺産相続問題。存在しないものの証明は難しい。


タイトル Q.E.D.iff -証明終了ー(8)
著者 加藤元浩
レーベル 講談社コミックス
初版発行 2017年10月17日


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あらすじ

海辺の目撃者

記憶があいまいな語り手

武藤は瀬戸内海の小島に住む、普通の高校生。彼は船に乗っているとき、倉庫の中で行われた殺人現場を目撃する。殺されたのは、貸金業の菊池。武藤は当時の記憶があいまいであり、警察に相談できずにいた。人づてに島に呼ばれた燈馬は、記憶があいまいでも証言する価値があると武藤にアドバイス。事件を捜査するにつれて、武藤は事件当時の記憶をだんだんと思い出してきて──。


白いカラス

遺産相続問題

資産家の岩沼が亡くなったことにより、遺産の相続問題が勃発。相続人は4人であり、遺言書には綺麗に4等分するように記されていた。しかし遺産の総額が700万円しかないと聞き、相続の会議は紛糾。弁護士がお金をかすめ取ったのではないか、という疑惑が浮上する。水原は彼らに協力し、銀行の預金を調べることに。策謀を巡らせ、なんとか弁護士を追いつめるも──。


—以下ネタバレ感想—

犯人、トリックについても言及しています。

ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。

海辺の目撃者

そう、オレは完璧じゃない。

だから困ったときは、友達に助けてもらおう。

 

犯人は、柿本。

借金の返済を迫る貸金業の男を殺害したのだった。

本作の最大の特徴は、『信頼できない語り手』という形を成しているところでしょうか。

信頼できない語り手
語り部の信頼性を低いものにし、読者を惑わせミスリードする手法。小説や映画で使われることが多い。

精神に問題があったり、記憶があいまいだったり、そもそも子供で周囲の状況判断ができていなかったりする者の主観で話が進むものは、この手法に当てはまりますね。

語り部が実は犯人だったという展開もあったりするので、終盤まで目が離せない展開が期待できます。反面、読者に対してアンフェアだ、と批判されたこともある手法だったりもします。

有名なのは、アガサ・クリスティのあれとかでしょうかね。少し前に、日本風にアレンジされてドラマがやっていました。

死体の隠し場所は、布団の中。

病人の布団までは警察ははがない、という犯人の読みでした。死体と一緒に寝かされた父が少し可哀そうですが、過去自分が犯した愚行を思えばしょうがないでしょうかね。

そもそもの借金は、父のものですし……。

これほどまで何度も、殺人シーンがリピートされた作品も珍しいかもしれない。不謹慎かもしれないが、菊池の顔が最後の方はギャグっぽく見えてしまった。

殺害シーン、ざっと数えて13回はあった。

語り手の腕にこれ見よがしに傷があったり、なんとなくミスリードを狙っているのかな、と思われる描写がちらほら。

せっかくの信頼できない語り手だし、もうひとひねりほしかったなぁ、というのが正直なところ。


白いカラス

だよね。

みんな同じ世界にいるんだよね。

 

お金は、700万円しかない。

みんな浪費癖が激しく、お金を残してもらえなかった。

推理小説ではお馴染みの遺産相続問題ですが、Q.E.D.シリーズではあまり登場しないかな。

相続人3人は金の使い込みが激しく、お金をあまり残してもらえませんでした。

石巻や岩沼はともかく、刈田までとは意外。ギャンブルにうつつを抜かすくらいなら、学費ぐらいちゃんと納めなさいよ、と。

どうみても悪そうな仙台弁護士は、実に職務に忠実な人でした。「ようやく遺産分配ができそうだ」と安心する表情が印象的です。

まぁこのお話の見どころは遺産の話うんぬんではなく、燈馬と水原の関係性でしょうか。

珍しくケンカのような状態に陥った2人。半分は演技でしたが、白いカラスを巡る問題の方ではちょっとした言い合いに。

「どうしてです? 信じてないのに」

水原の真意が見抜けず、すねる燈馬。なんとも物珍しい場面です。

「そんなつまんないウソをつくなんて思ってない」

ちゃんとわかってもらえず、水原も悔しそう。語句が荒くなるのもやむなしでしょうか。

はたして本当にいた白いカラス。

浮世離れしていてもちゃんと目の前にその姿を確認できて、この世界に本当にいるんだね、と安堵する水原。現実離れしてて別世界にいるような燈馬と白いカラスを重ね、安心したようだった。

まぁ当の燈馬は、水原の真意はわかってないでしょうけどね。

 

ハリ
ハリ

燈馬君、そういうのにぶいしね……。

 

ちょっと検索してみたら、本当にいるみたいですね、白いカラス。1度見てみたいものだ。

いつもは捜査員として辣腕を振るう水原ですが、このお話では探偵役も兼ねました。燈馬が表立って協力していないので、水原が頑張ります。”証明終了です”宣言も、彼女が担いました。

以上、Q.E.D.証明終了。

 

 

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