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Q.E.D.証明終了(7)

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【Serial John Doe】MITの各分野のトップが連続で殺された。次狙われるのは燈馬? & 【憂鬱な午後】花屋で消えた5万円の謎。犯人の使った身近な道具とは。


タイトル Q.E.D.証明終了(7)
著者 加藤元浩
レーベル 講談社コミックス
初版発行 2000年8月10日
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あらすじ

Serial John Doe

飛び交う数理論

燈馬の同期で、遺伝子工学のトップ、航空工学のトップ、量子力学のトップの人間があいついで殺害された。数理分野のトップである燈馬も危険かも。ウラン、計算尺、円周率π、自然対数の底e、超越数、虚数i。死体の様子から、様々な数学用語が飛び交う。そんなことをしていると、燈馬が何者かに狙撃される。そしてなんと4人目の犠牲者が出たとみられる事件が起こり──。


憂鬱な午後

消えた5万円

花屋に来ていた燈馬と水原。窃盗事件に巻き込まれる。その花屋は給料を現金支給しており、100万円をおろしてきたばかり。しかし札束を調べてみると、95万円しかない。5万円、足りないのだ。たまたま花屋に来ていた燈馬たちも、事情聴取のため事務所へ。容疑者は店員の3人。バイト学生男、バイト学生女、主婦。札束は店長が事務所に、無造作に放置していて──。


—以下ネタバレ感想—

犯人、トリックについても言及しています。

ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。

Serial John Doe

”名前”だよ! 人はその人間の名前を知っていれば……そいつの話を聞く。誰もが知っている名前をもてば誰もがその人間の話を聞く……。

誰しもがその言葉に耳をかたむける存在……。それが神だろ? だからオレは手に入れる……。誰もが覚え忘れない不滅の名前を……。

 

犯人は、4人目に死んだと思われた男。

犯人も、誰にも忘れられない名前が欲しかった。そこでこんな計画をたてた。

『MITの各分野のトップが死に、数学分野では自分が死ぬ』

そうすれば、世の中の人はどう思うだろうか。

おそらくこう思うだろう。数学分野では彼こそがトップの人間なんだ、と。

それだけのために、3人もの人間を殺したのだった。

なかなかのシリアルキラー、そして自分勝手な男でしたね。

結局自殺が成功しても世間は誰も認めないような気がしますが、MITのトップと肩を並べることは、男にはとても魅力的に見えたんでしょうね。

自殺に失敗した男は、自分は選ばれた人間ではなかったことと、燈馬を撃ち殺そうとします。どこまで自分本位な犯人です。

それにしても今回は、これでもかというほど数学用語が飛び交っていましたね。水原と同じように、宇宙人の会話にしか聞こえなかった。

それぞれの現場に残っていた数学に関する情報。

それらは、『人類の数学史上最も美しい式』と呼ばれる、オイラーの公式につながっていました。

人類の至宝、とまでいわれるオイラーの公式。それゆえに、オイラーは不滅の名を世に残した。

 

ハリ
ハリ

すごい功績なんだね!

まぁ、私には何がなんだかわかりませんがね(笑)。


憂鬱な午後

2週間ほど前、大工の主人がハリから落ちまして。それで入院費や生活費が必要で……。

 

犯人は、主婦。

トリックにつかったものは、はがせるのり。

お札とお札をくっつけておき、張り合わせたお金を自分の給料袋に入るように仕向けたのだ。

窃盗事件でありながら、すべてがまるくおさまったお話。

唐突なサービスシーンには笑った。あ、店長のまたぐらはいらないです。

西武ドームに松坂君を見に行く、という発言が時代を感じさせる。

あの店長のことだし、大事になる──かと思いきや、燈馬のおかげで助かりましたね。ワシントン条約で規制されている植物を無断で育てちゃいかんでしょうよ。

ワシントン条約
希少な野生動植物の国際的な取引を規制する条約。

密輸は許されることではありませんが、今回に限ってはまるくおさまったからよしということで。

以上、Q.E.D.証明終了。

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