【陽はまだ高い】研究のアイディアが書かれたノートが盗まれた。犯人の手口とは。 & 【坂道】水原の中学時代の同窓会。ゲーム盗難事件の真相。
タイトル | Q.E.D.証明終了(47) |
著者 | 加藤元浩 |
レーベル | 講談社コミックス |
初版発行 | 2014年2月17日 |
Q.E.D.証明終了(47) https://t.co/4R7DhxF1k7
— ウエスト記伝 (@west_kiden) December 25, 2018
あらすじ
陽はまだ高い
警備が厳重な島
インドネシア、バリ島。数理論理学の権威ギーデルはここで、研究員たちとともに国家の重大機密にもつながる研究をしていた。厳重な警備網がしかれており、外部の人間は容易に侵入できない。あるとき、研究のアイディアが書かれたノートが何者かによって盗まれてしまう。幸い、外部に情報が漏れることはなかったが、機密漏洩事件として犯人探しが始まる。燈馬はそれに協力し──。
坂道
水原が見たものは
水原の中学時代、ある事件があった。ゲーム機が盗まれたのだ。それは歌川という女子生徒の机の中から出てくる。クラスメイトに犯人と疑われた彼女だったが、水原だけは彼女をかばう。「どうして私が犯人じゃないと確信していたのか」歌川はずっと気になっていた。歌川は水原たちを自宅に招き入れる。昔話に花を咲かせていると、歌川の部屋から現金が消失する事件が発生し──。
Q.E.D.証明終了(47) (講談社コミックス月刊マガジン)
—以下ネタバレ感想—
犯人、トリックについても言及しています。
ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。
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陽はまだ高い
オレはなにも盗んでない。
オレのアイディアを金に換えただけだ……。ファイルにはオレのアイディアもあったんだ!
オレはなにも盗ってない!!
犯人は、カルロス。
お金目的の犯行だった。
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NSAから依頼された大事な研究を盗まれたのに、ギーデル博士は陽気だなぁ。
機密を売ろうとしたスタッフは今回で4人目だそうで。さすがにちょっと……というかだいぶ問題があるように見えるけど。
ギーデル博士は、NPクラスの研究をしているらしい。
有名な問題に巡回セールスマン問題があげられていました。
わりと簡単な問題に見えるけれど、総当たりでしか答えが見つけられないので大変らしい。ずぶな素人の私から見たら、コンピューターでぱぱっと計算できないのか、と思ってしまう。
NPとアルゴリズムの関係を表したイメージ図はわかりやすい。
今回のメイントリックは、ノートのすり替え。
黒板という身近なアイテムを使ったトリックは面白い。ただ、あんなに上手くいくものなのかね。本物が落ちずに、ノートが2つ上から出てきたら冷や汗が止まらないと思う。
ゴミ袋に入れる瞬間や、のちにノートを回収するときも、目撃されたら一巻の終わり。わりと綱渡りな計画かもしれない。まぁ警備が厳重である以上、ある程度の運要素は必要か。
水原の登場シーン。エビをつっついていたわけだけど、私にはガントレットに入った白い何かを串刺しにしてるように見えて二度見した。
NSAからの報酬はエビだけかもしれんぞ、という博士に水原はいいよ、と答える。豪快な返答だけど、実際働くのは燈馬だしね。気楽なもんだよね。
坂道
きっと先には善きモノが待っている。
それを信じて坂道を……。
犯人は、歌川。
水原の反応を見るための、自作自演だった。
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未来に足を向けるため、ゲーム機盗難事件の真実を知りたかった女性のお話でした。
真実を知っていながらずっととぼけ続ける水原は、珍しいといえばそうかもしれない。前にマジシャンとグルになって燈馬を騙したことはあったけど、それとは毛色が大分違う。
よかった、中学時代の水原が、人の心の機微がわかる子でよかった。あそこで告白の件を暴露したら、歌川は学校に来れなくなっちゃうし。
水原が鉄拳制裁をするのは、昔からなのね。
水原が犯人のわけないじゃん、というのはあくまで読者視点。当事者の歌川にとっては、払拭できない不安ごとだったんでしょうね。
メイントリックは、場所の誤認。
あんな細い塀の上とか、怖くて絶対歩けない。ある意味、モデルのウォーキング技術が役に立ったのかもしれない。
ファッション業界は修羅の道らしいですね。『ランウェイで笑って』というマンガで見た。

体重制限とか大変そう……。
ポニーテールじゃない水原は、結構レアシチュエーションかもしれない。ロングも似合うけれど、それだと暴れにくいからね。
ゲーム機盗難の犯人だった、但島。水原による成敗を受けた彼は、はたして人間の形を保っているのかどうか。
以上、Q.E.D.証明終了。
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