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Q.E.D.証明終了(39)

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【ああばんひるず6号室事件】自殺する理由のない大家さんが自ら命を絶った? 6号室に隠された秘密とは。 & 【グランドツアー】宇宙開発に心血を注いだ男性。彼が計画した、死んだ妻のためにできることとは。


タイトル Q.E.D.証明終了(39)
著者 加藤元浩
レーベル 講談社コミックス
初版発行 2011年6月17日
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あらすじ

ああばんひるず6号室事件

『開かずの間』6号室

倹約家だった大家が自殺してしまったアパート『ああばんひるず』。その臨時管理人としてやって来た水原。大家は友人のお婆ちゃんであり、自ら命を絶つなんてありえないということだった。水原は潜入調査をしにここへ来たのだ。住人が言うには、たしかに大家は自殺する予兆なんてなかったらしい。水原がさらに調査をしていると、大家が自殺した6号室の前に幽霊が現れて──。


グランドツアー

宇宙研究は大変

元NASA研究者のイオ教授に呼ばれ、ハワイ島にやって来た燈馬たち。そこには”ボイジャー計画”に携わった面々が揃っていた。仕事を退職したイオは、亡くなった妻のために何かをするそうだ。その直後、イオは姿を消してしまう。明後日は、妻の命日。それに合わせて自殺するつもりなのでは、と一同は心配する。そんな折、イオらしき人物の乗った車が崖から転落し──。


—以下ネタバレ感想—

犯人、トリックについても言及しています。

ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。

ああばんひるず6号室事件

通報しようとしたとき……、ある考えが閃いた。

「もし大家さんの遺体が6号室で見つかれば、家賃が下がるのでは?」

 

大家さんは、事故死。

冷たい豚の頭を持った時、心臓に負担をかけてしまったのだった。

大家さんは事故死でしたが、家賃値下げの為に愚かなことをしてしまった男の話でした。

トリックは、ボロアパートならではのもの。

床板とか天井の板って、あそこまで簡単に剥がれるものなのですかね。生活音とかもろに下に響きそうですな。

 

ハリ
ハリ

床が体重で突き抜けそうで、ちょっと怖い……。

 

というか、高所恐怖症の私からしたら、6号室から大家さんの死体を除くシーンですらちょっと怖いんですが。

大家さん、豚の頭とかどんな経緯でもらってきたんだ……。冷凍庫に入れる前から冷えていたとなると、どっかの冷蔵庫に入ってたものをそのまま受け取ったということでしょうか。

というか、豚の頭は料理に使えるのかな? と思って調べてみたら、結構レシピ出てくるのね。画像で見るとわりとグロいので、検索する際は注意が必要かもしれません。

ヌンチャク占いとはいったい……。奇声をあげてヌンチャク振り回してるだけじゃないか。

線香で霊力が下がると信じていたそうですが、ヌンチャク占いと霊力は関係あるのかねぇ。

マンガとは関係ないけど、ヌンチャクって実践で使われた歴史とかあるのかな。三国無双で淩統が振り回してたことは知ってるけど。

燈馬の変装。サングラスはいいけれども、なぜあんな髪型にしたのか。レゲェのかつらなんてそうそうないやろ……と思って検索したら、いっぱい出てきた。今の世の中、なんでもあるのね。

名前は高級マンションみたい~、という話が出てきましたが、『ああばんひるず』って恰好いいですかね? わりとダサいような……。

作中ではギャグ調で流していたけど、人が死んだ6号室の前に亡霊のような何かがいたら、私でも叫ぶと思う。さすがに桑島並みに口に光は貯めないと思うけど。

今回の水原は、管理人役。ほんと彼女、なんでもやりますね。


グランドツアー

そうか……失敗か。失敗した計画は断じて実行してはいけない……。

宇宙船を作る者の鉄則だな。

 

イオ教授は、生きていた。

全てはイオの計画であり、亡くなった妻の元へ浮気相手を送り届けるための芝居だった。

宇宙計画に人生を捧げた男の、亡き妻にしてあげたいことをなそうとするお話でした。

浮気相手を殺害しようとすることは、いっけん復讐のように見えるけど実はそうではなかった。35年前に亡くなった妻が独りきりで寂しくないようにと、浮気相手をあの世に送ろうとしたのだ。

 

ハリ
ハリ

わりと、めずらしい動機かも。

 

ここだけ切り取ってみると、水平思考というかサイコパス的思考に足を踏み入れている気がする。

とはいえ、イオ教授が凶行に走ろうとするのもわからなくはない。

イオ教授は仕事に没頭するあまり家庭をないがしろにしてしまい、妻ルナを孤独に。結果、ルナは浮気。イオからも浮気相手からも見捨てられた彼女は薬に逃げ、便器の前で心臓マヒで孤独死。

引退をきに、妻への罪滅ぼしをしようとしたのでしょうね。

銃を構えて不敵に笑うイオ教授、ちょっと不気味。

ボイジャー計画が話題にあがりましたね。

ボイジャー計画
アメリカ航空宇宙局(NASA)による太陽系の外惑星および太陽系外の探査計画。1977年、惑星観測のための無人探査機が打ち上げられた。1号と2号があり、木星・土星・天王星・海王星などを調べ、太陽系にまつわる様々な研究に貢献した。

スイングバイ航法という方法も紹介されました。

スイングバイ航法
星の重力を利用して、宇宙船を加速させる方法。燃料を使わずに加速できる。

グランドツアーという単語も出てきました。

グランドツアー
1977年~1979の3年間に奇跡のように起きた惑星の配置。木星、土星、天王星、海王星がほぼ1列に並び、スイングバイ航法で一気に宇宙船を遠くに飛ばすことができた。次にこれが現れるのは、175年待たなければならない。まさしく奇跡の軌道となった。

どうしてもこの時期に開発を間に合わせなければならなかったとはいえ、家庭に放置されたルナはかわいそうですな。浮気を肯定するわけではないですが、ルナがその道に走っても仕方なかったのかもしれません。

はんだ付けした場所に現れる単結晶はウイスカというらしい。

ウイスカ
はんだ付けした場所に現れて成長する、菌糸みたいなヒゲ状の単結晶のこと。

素人目だとそんなものすぐに発見できないのか、と思ってしまいますが……。調べてみると、大なり小なり悪さをする、結構有名な結晶らしいですね。

タイトルのグランドツアー。

主人公たちをボイジャー、登場人物たちを惑星に見立てたイオ教授の観測計画でしたが、じゃっかんのこじつけ感はいなめません(まぁ小事だけど)。

「失敗した計画は実行してはいけない」

引退しても宇宙開発に携わった者の教示は忘れない、分別のある犯人でしたね。

以上、Q.E.D.証明終了。

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