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Q.E.D.証明終了(30)

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【人形殺人】2体のマネキンが、頭部にナイフが刺さった状態で発見された。その理由とは? 【犬の茶碗】超高級羽毛布団を買わされた老人たち。総額150万円をとりもどすために立ち上がった。


タイトル Q.E.D.証明終了(30)
著者 加藤元浩
レーベル 講談社コミックス
初版発行 2008年6月17日
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あらすじ

人形殺人

不気味なマネキン

頭にナイフの刺さったマネキンが2体、発見された。それぞれ背広のポケットには名刺が入っており、加古川、岸和田という名前が書いてある。両名とも、グッドメディスンという法人の関係者。内閣情報調査室の梨田は、このマネキン事件がなにかの大事に繋がるのではないかと危惧。そんな折、厚労省の草津が血まみれの状態で発見され、緊急搬送されて──。


犬の茶碗

不当に取られたお金

新井、関根、村沢の3人が催眠商法にかかり、30万円の超高級羽毛布団を購入してしまったのだという。新井の孫、克行(かつゆき)はこれに激怒。お金を取り返してくる、と販売セミナーへ行ってしまう。古典的な方法だけどやってみるか、と燈馬もお金の返金に協力することに。克行はセミナーで洗脳され、敵側へ。一方燈馬は、300万円の茶碗を犬のエサ入れにしていて──。


—以下ネタバレ感想—

犯人、トリックについても言及しています。

ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。

人形殺人

それなのに複雑な事件に見えたのは”殺された”のが人形だったから。

人形の向こうに人間の姿を見てしまったんです。

 

犯人は、草津。

草津は郡山からお金を受け取っていた。

検察が動き出したので、郡山を殺し口封じをした。

今回の一連の事件の目的は、ただこれだけだった。

マネキンを殺したのは、今回の事件と治験事件が関連があるように見せたかっただけ。

草津は疑われないように、自分で自分を傷つけたのだった。

まさかの内閣情報調査室、梨田再登場回です。前回の登場は、25巻

今回は壮大な事件に見せかけての、ただの口封じの殺人でしたね。

ニュルンベルク・コードというのが出てきました。

ニュルンベルク・コード
治験は絶対に強要してはならない、という規則。

今回はまじめな話だったためか、細かいギャグシーンが少なめでしたね。

ただ極秘資料庫に水原が普通に入っていったことは、ちょっと笑っちゃったけど。

三億円事件の資料ファイルにうっかり手を伸ばしていた水原。中に目を通していたら、彼女の運命はどうなっていたのやら。

地図上で事件現場を照らし合わせ、燈馬の意図を察した水原と梨田のシーン。なんとも息の合った気付き方をするもんだ。

ドラマとかでもそうなのですが、議員とか省のお偉いさんとかがずらーっと出てくると、あんまり面白みを感じなくなっちゃうんですよね、私(個人的趣向です)。

なんというか、無駄に複雑に感じてしまうから集中して見てられなくなる感じですかね。

そういう意味では、今回のQ.E.D.位が、私にはちょうどいいのかもしれません。


犬の茶碗

克行さんを信用させるためです。敵をだますにはまず味方からと言いますからね。

古典的な方法でしたけど。

 

お金は、取り戻せた。

古典落語、『猫の皿』みたいな手段だった。

猫の皿
落語の演目のひとつ。旅人が、旅先で立ち寄った茶店で店主を言いくるめて、ある名品の皿(『猫の茶碗』の場合、小鉢)を買い叩こうとするが、実は店主の方が一枚上手で、旅人のほうを騙していたという滑稽噺。

悪質な商売方法を使い詐欺師たちを懲らしめるお話でした。

「催眠商法が立証されて裁判に負けても俺はお前たちにお金を返せない。なぜならお金がないから」

そう言い張る相手に、燈馬はある人物の名を呼んだ。

それは、新井の孫。

燈馬の協力者だった彼は、敵の懐事情を視察し、お金を貯めこんでいるところを目撃していたのだった。

「古典的な方法だけど……やってみますか」

という燈馬の言葉。

古典落語『猫の皿』のことと、『敵を騙すにはまず味方から』という古典的な方法、2つの意味を指したいたのですね。すばらしい。

催眠商法とかはたから見てると、こんなの引っかかる方がどうかしている、と思ってしまいがちですが……。

実際にあの場にいたら、場の空気に飲まれてしまうんでしょうね。

『その場限り』『今しか買えない』なんて言われたら、買いたくなってしまうのが人の性でしょう。

っていうか、私の知り合いにも、そういった場所に出入りしていた人がいたなぁ。

まぁその人は、「行くだけでなんか高い物がタダでもらえる」と喜んでいましたが(笑)。おそらくは高い物はただで渡し興味を持たせ、その後めちゃくちゃ高い物を売りつける商売だったのでしょうね。

たしか、ウン十万する給湯器を売買してた、とか言ってました。

 

ハリ
ハリ

ハリも気を付けないと……。

 

作中である意味1番の被害者は、珍品堂の旦那なのではなかろうか。300万円の天目茶碗を犬のエサ入れにされてしまったのだから。

天目茶碗
元は茶葉の産地だった天目山一帯の寺院に於いて用いられた天目山産の茶道具で、天目釉と呼ばれる鉄釉をかけて焼かれた陶器製の茶碗のこと。

イタリアに桜を見に行った、新井、関根、村沢の3人。

しかしそれはユダの木だった。

この3人、また騙されないか心配です。

以上、Q.E.D.証明終了。

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