【宇宙大戦争】探偵同好会廃部の危機。乗っ取られた部室を取り戻す方法。 & 【パラレル】超ひも理論。シンクロトロン建設計画中止にまつわる陰謀と女性研究助手自殺の関係とは。
タイトル | Q.E.D.証明終了(25) |
著者 | 加藤元浩 |
レーベル | 講談社コミックス |
初版発行 | 2006年9月15日 |
あらすじ
宇宙大戦争
絶対に土下座させる!
クイーン、ホームズ、モルダーの3人からなる探偵同好会。なんと4人の1年生が、探偵同好会に入会してきた。態度の悪い1年生たちでしたが、部に上がりたいためクイーンたちは我慢。そんなとき、事件が起こりました。『昇格願』と書かれた紙を一年生が持ってきた。それにクイーンたち3人は名前を記入。しかしそれはなぜか、いつの間に『退部届』へと書き換えられていて──。
パラレル
容疑者はお偉いさん
工事中の農業用水路のパイプの中から死体が発見された。殺されたのは国立大学学長、越智。向こう側に行くには1km先の橋を渡らなければならない。そんな岸と岸を結ぶパイプの中に越智の死体はあった。パイプに2人入るのは、耐久性からいって不可能。背中から撃たれている越智の体勢から見て、撃たれたのは別荘地の並ぶ方からだと警察は判断。そこには3人の人物がいて──。
Q.E.D.証明終了(25) (講談社コミックス月刊マガジン)
—以下ネタバレ感想—
犯人、トリックについても言及しています。
ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。
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宇宙大戦争
だって野放しにできないでしょ。
あの3人は部屋にちゃんと閉じ込めておかないと。
部室は、無事取り戻した。
燈馬の策略が見事にハマり、部室を奪還できました。
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お騒がせ同好会、今回はちょっとかわいそうなお話でした。
部に昇格したいと思っていたら、待望の入部者が来て喜ぶクイーン。しかし部室は乗っ取られるは、執筆していた小説が消されるは散々でしたね。
まぁ最後には部室を取り戻し、土下座させ、忠実なるシモベができたという事でチャラでしょうか。
書類を書き換えた方法は、感熱紙。
菱田はこうやったのだ。
感熱紙を使って、『昇格願』を作成。そこにクイーンたちに油性マーカーで名前を書かせる。アルコールで紙を拭く。すると名前以外の文字がすべて消滅。アイロンで紙を広げる。アルコールで拭いたとき、黒くなる成分が飛んでいるため、真っ黒にはならない。名前だけ書かれた紙が出来上がる。それを使って、退部届をでっちあげる。

無駄に、こってるね……。
宇宙人の恰好をさせられた水原は大変ですなぁ。さりげなく、男1人持ち上げてますよ。
逆に宇宙人の声マネをしているモルダーは、最高に楽しそうです。
ホームズは雑用でしたかね。乱闘でメガネが割れなかっただけ良しとしましょう。
夜の学校。その屋上で花火・暴力のどんちゃん騒ぎをして、部の廃部だけで許してくれる先生は、実はとても人情味のあふれる人なのではなかろうか。
「3人はちゃんと閉じ込めておかないと」
やっぱり燈馬の中でも、3人はそういう認識なんですね。
最後は、すげー嫌なやつだった菱田が、土下座中にクイーンに踏まれたことでMが開花。クイーンのゲボクとなってお話が終了。
いいのか菱田、それで。
パラレル
オレや久美子が楽しく生きている世界が、どこかにあるよな。
犯人は、須藤。
須藤と小田は恋人同士だった。
小田は越智がシンクロトロン建設に関わる重要な論文をねつ造していたことに気がつき悩んでいた。須藤や梨田に相談するも、解決には至らず。
そして小田は自ら命を絶った。
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恋人を自殺に追いやられた教授の復讐劇でした。
パイプを転がすことによって、撃たれた方向を逆に見せかけるのは大変面白い。まぁ実際できるかどうかはわからないけど。
超ひも理論は、不思議な感覚を引き起こすそうです。
それはパラレルワールド。
『超ひも』が絡み合う状態は極小のブラックホールを生み出し、今ある世界とパラレルワールドをつなげているらしい。
久美子と自分が楽しく生きている世界がある。それを信じて須藤は自殺してしまいました。
あまりにも悲しすぎる終幕です。

うぅ……、せめて別の世界で、幸せでいてほしいよね……。
「そこにあるかどうか見えないから、あるって信じるんだろ」
釣りをしながら、ロキが燈馬に話しかけます。
「見えないと信じられるよね」
燈馬がそう静かに返答しました。
以上、Q.E.D.証明終了。
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