少年は誓った。自分を罵倒したあの女に復讐すると。
痩せてイケメンになり、あいつを俺に惚れさせてから無様にフッてやるのだ!
タイトル | 政宗くんのリベンジ |
原作 | 竹岡葉月 |
作画 | Tiv |
レーベル | REX COMICS |
初版発行 | 2013年5月5日 |
アニメ化もされたラブコメ作品
『政宗くんのリベンジ』は、2017年1月~アニメ化された人気作品です。
短編集やスピンオフも発刊されています。
また2018年11月号より、『政宗くんのリベンジ after school』という、本編後の話が短期連載されているそうです(記事書いてて、初めて知った……)。
地獄のダイエットの末、イケメンが生まれた
見た目よし、性格よし、頭脳よし。当然、顔もよし。
そんな非の打ちどころのないイケメン高校生が、本作の主人公、真壁政宗(まかべまさむね)です。
女性なら誰でも惚れ、男性からは嫉妬の声が止まらない。そんな真壁には、ある秘密がありました。
幼いころ、彼はだいぶぽっちゃりしていました。
周りのいじめっ子からはいつも追いかけまわされ、泣いていました。
うぅ、かわいそうだよぅ……。
そんなとき、同い年くらいの少女に助けられます。
彼女の名前は、安達垣愛姫(あだがきあき)。
2人は仲良くなり、一計を案じ、いじめっ子たちを撃退することに成功します。
真壁にとっては、幸せな時間でした。
しかし、終わりは突然やってきました。
「──あんたなんか好きにならないわよ、”豚足”」
理由もわからず、真壁は安達垣にフラれ拒絶されます。
彼女に見捨てられた真壁は、いじめっ子たちからさらに苛烈にいじめられ、”豚足”という単語がトラウマになってしまいました。
「政宗はもううちには帰りたくありまちぇん……」
うちをでて信州の山奥のじいちゃん家にこもった政宗は、おやつをかっ食らいながらそう涙を流します。
「みかえしたければ、ここに住んでわしの言うとおりにせい!」
というじいちゃんの一喝により、真壁は地獄のダイエットを開始します。
何度もくじけそうになりながらも8年間、彼は地獄のトレーニングをやり遂げたのでした。
すべてはあの女、安達垣に復讐するために。
作戦名「デッド・オア・ラブ作戦」。
真壁はイケメンの復讐鬼となり、地元に引き返したのだった。
ヒロインは男嫌いのお嬢様
残虐姫。
それがヒロイン、安達垣の通称だった。
見た目よし、実家はお金持ちの安達垣の元には、告白してくる男子が絶えなかった。
そのたびに彼女は、その男の欠点にふさわしいあだ名を公に叫び、無様に男をフッていたのだ。
安達垣は男嫌いであり、告白してくる男子を、恥をかかせながらフる光景があちらこちらで見られるのだった。
だからこそついた呼び名が、”残虐姫”。
真壁の復讐相手はこのわがまま姫、安達垣なのだ。
当然、一筋縄ではいかない。
──と思うかもしれませんが、実はそうでもありません。
1巻の最後では、2人でデートするまでになります。展開はあっという間ですね。
テンポがいいと、読みやすいよね!
なぜこんな、とんとん拍子に話が進むのか。
それは真壁に強力な助っ人がいるからでした。
その助っ人の名前は、小岩井吉乃(こいわいよしの)。
安達垣の連れ人である小岩井は、なんと真壁の正体を看破していました。
真壁と安達垣が本当は幼いころ知り合っていることも、あの”豚足”のやり取りも、小岩井は把握しています。
自分の正体を見破られた真壁は最初、『終わった』と観念しそうになりました。
まさか安達垣の身近に、こんな伏兵がいるとは思ってもいなかったのです。これでは復讐が成就することはありえないでしょう。
小岩井が安達垣にちくるだけで、復讐計画はおじゃんです。
絶望した真壁でしたが、なぜか小岩井は彼に協力し、復讐をやり遂げる手助けをしてくれるのです。
普段は小動物のようにおどおどし頼りない小岩井ですが、裏の顔はナイフ片手に真壁にブービートラップを仕掛けてくるくらいの残虐性を秘めています。
どこか影を感じ秘密を隠している、そんな腹黒小岩井の協力の元、真壁は順調に復讐を開始するのだった。
タイトル詐欺……か?
リベンジ、という単語が題名に入っていますが、そこまでガチンコの復讐劇ではありません。
シリアスを求めてこの作品に手を出すと、えらい失望するかもしれませんね。
他のヒロインが出てきて安達垣が嫉妬したり、プール掃除をしたり、文化祭で奔走したりと、やることはラブコメのそれと大差ありません。
もっとも、Tivさんのかわいらしい絵柄を見て、マジもんのリベンジ劇場だと思う人は少ないかもしれませんが(笑)。
通常のラブコメものだと思って読んだほうが健全ですよ。
はてして真壁のリベンジは成功するのかどうか。
安達垣は真壁の正体をみやぶることができるのか。
師匠と呼ばれ、真壁とともに行動する小岩井の真意とは。
ぜひ実際に手に取って、確認してみてください。
政宗くんのリベンジ 1 (IDコミックス REXコミックス)
コメント欄