【夏期補講授業】壊されたソーラーカー。 & 【ガラスの楽園】密漁に悩むガラパゴス諸島で起きた事件。 & 【螺旋の骨董品店】1本道のお店で起きた殺人。
タイトル | C.M.B.森羅博物館の事件目録(22) |
著者 | 加藤元浩 |
レーベル | 講談社コミックス |
初版発行 | 2013年2月15日 |
C.M.B.森羅博物館の事件目録(22) https://t.co/MrNuyLxGOE
— ウエスト記伝 (@west_kiden) February 2, 2019
あらすじ
夏期補講授業
正解が1つしかない問題
レースに出るためのソーラーカーの調整をしていた電研。しかし少し目を離した瞬間に、ソーラーカーが破損していた。学校には講習や部活動などで多くの生徒が登校しており──。
ガラスの楽園
生態系は壊れやすい
密漁が絶えないガラパゴス諸島。島民がケガをし、研究者のアイリス博士が疑われ一触即発の雰囲気に。その解決を求められた森羅は調査を進めながら、島の自然に触れて──。
螺旋の骨董品店
珍しい内装のお店
螺旋状の1本道の骨董品店。その1番奥、レジ付近で店主が殺害された。逮捕されたのは店内に唯一いた客、管沢。店の特徴から考えて、彼以外の犯人は考えられなかったが……。
—以下ネタバレ感想—
犯人、トリックについても言及しています。
ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。
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夏期補講授業
正解が1つしかない勉強をする理由はね、自分が間違えることを知るためにやるんだよ。
犯人は、物部。
飛び出してきたソーラーカーを、運転していた車でぶつけてしまったのだった。
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黙って隠すとか、生活指導の教師がやっちゃいかんでしょう。もう誰も信頼してくれなくなっちゃうよ。
電研なんて会、うちの高校にはなかったなぁ。実在しないのかと思って検索したら、普通にいっぱいヒットしたわ。
でもソーラーカーを学校の敷地内で走らせるところはないんじゃないかな? いや、あるのか?
小っちゃい奴は見たことあるけど、大きいサイズのはテレビでしか見たことないなぁ。
ソーラーカーが破損したのは、接触事故。
不運が重なってしまったとはいえ、物部は名乗り出なきゃまずかったでしょうね。男子高校生が好きな子に見惚れるのは仕方ない。
自分が間違えることをちゃんと知るために、答えが1つしかない問題を解こうとするというのは面白い発想。
ガラスの楽園
僕達は事実を受け入れて適応して生き残る。
それが……この島の動物達が教えてくれた、生命の秘密だよ。
サントは、意図的に突き飛ばされたわけではなかった。
島の秘密をめぐって、アイリス博士ともみ合いになったのだった。
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ガラパゴス諸島をめぐる、過去と現在が交差するお話。
まずなにより題名がいいね。独自のものなのかどこからかの引用なのかはわかりませんが、あまりにも簡単に壊れてしまう生態系を表すのにこれ以上の表現はないかもしれません。
舞台は、ガラパゴス諸島。
様々な動物がいるため、密漁も多いらしい。ざっと検索すると、サメがターゲットにされているっぽい。
海洋も保護したい政府と、地元住民が対立し、ナマコ戦争が勃発。
ナマコなんて食べたことあったかなぁ……。正直、あんまり記憶にない。あんな見た目がグロテスクなもの、最初に食べようとした人すごい。
ガラパゴス諸島は、ダーウィンが進化論の着想を得た場所。
このお話は、ダーウィンの昔話と、現代の森羅達、2つのストーリーが混ざり合う珍しい形式のストーリーでした。
船長のロバート・フィッツロイは実在の人物みたいですが、ロビンにまつわる話はさすがに創作かな?
ガラパゴス諸島には、色々な種類の動物がいる。
観光客が押し寄せて、環境破壊につながってしまったらしい。
密漁者の影の正体は、モバイルプロジェクター。
解決シーンではプロジェクターを手に持っているけど、冒頭やトリックを明かす直前の回想では、双眼鏡を持っているじゃないか……。いや、まぁ、いいんだけども。
こういう映像媒体のトリックは、どの作品にも採用されているけど、現実的に騙せるものなのだろうか。

私は騙されそう……。
ところでサントは何時間倒れていたんだ? というかアイリス博士は、サントが倒れ続けている事を前提で、このトリックを仕掛けたのだろうか。
螺旋の骨董品店
アンモナイトは死後に美しい貝殻を遺す。
だけど、本体はどこにも残っていない。
僕達が思い浮かべる姿は想像でしかないんだ。
犯人は、井ノ口。
金のための犯行だった。
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特徴的な骨董品での犯罪でした。
グッゲンハイム美術館、という建物があるらしい。
店に飾ってあったのは、アンモナイトの化石。
アンモナイトの本体の化石は見つかっていないらしい。今私たちが想像しているあの形は、アンモナイトと同じ時代の生物、べレムナイトの姿から考えられたそうだ。
トリックは、秘密の通路。
くのいちばりの隠密行動を取り、被害者を殺害。被害者は老人宅から価値のある物品を盗んでおり、あまり同情できない。
ところで井ノ口は、骨董品を奪ってどうするつもりだったのだろう。さばくにしてもツテなんてないだろうし、元々の持ち主たちが被害届けを出していたら、換金しようとした瞬間逮捕されてしまうのではなかろうか。
マウがお宝の匂いにつられて現れない限り、金に換える手段がない気がするが……。
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