【イーブン】病院で何者かが、患者の酸素マスクを外した。その理由とは。 & 【不完全な密室】密室状態だった家屋から他殺体が発見された。死体と一緒に倒れていた女性の謎。
タイトル | Q.E.D.iff -証明終了ー(5) |
著者 | 加藤元浩 |
レーベル | 講談社コミックス |
初版発行 | 2016年10月17日 |
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— ウエスト記伝 (@west_kiden) January 2, 2019
あらすじ
イーブン
男性の襲われた動機
とある山中で、滑落したと思われる男性、足利が発見され緊急搬送された。病院で治療を受けた足利だが、何者かが彼の酸素マスクを外してしまう。その場面を目撃した水原は、犯人と思わしき人物を追うも取り逃してしまった。なんと犯人は行き止まりから、煙のごとく消え去ったのだ。足利の身元調査を行った水原は、彼を中心に複雑な恋愛事情が絡んでいることを突き止め──。
不完全な密室
咲坂署で起きた異変
引退した検事が他殺体となって発見された。死体は密室状態の家から発見されており、近くには家政婦の伊丹が倒れていた。警察は伊丹を逮捕。しかし近くの車庫で血痕が見つかり、殺害現場が別である可能性が出てきた。このずさんな捜査が行われたのは、水原警部のいる咲坂署。少し前にも咲坂署では失態を犯したばかり。その理由は、2年前から配属された宮古という警部にあり──。
Q.E.D.iff -証明終了-(5) (講談社コミックス月刊マガジン)
—以下ネタバレ感想—
犯人、トリックについても言及しています。
ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。
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イーブン
事件は若いのに任せりゃいいの!
犯人は、腰本。
試験問題を盗んだのを目撃されたから、その口封じの犯行だった。
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いっけん複雑に見えた事件ですが、動機は単純なものでした。
昔の車って、鍵がなくても簡単に開くんですかね。たしかコナンでも、ジンの車をハンガーかなんかでこじ開けていたような……。
自殺するのに山から滑落するという方法をとる人は、わりとレアケースなのではなかろうか。自殺に見せかけたいのであれば、腰本は別のやり方をとった方が信ぴょう性が増したのでは?
水原警部は、アクション映画ばりの派手な行動に。足のケガですんだのは、日ごろの行いのおかげか。
「20代なら首がもげても生えてくるんだから!」
父親の無茶な行動に、怒り心頭の水原の言葉。無茶ですよ、と突っ込む燈馬がシュール。
いくらなんでも無茶だよね……。
犯人が消えたトリックは、ただの見間違い。
そんなバカな、とツッコんだ読者は多いかもしれない。いくら暗くても、その見間違いはありえるのか、と。
これが計画殺人で、メイントリックとしてこれを出されたらさすがに眉をひそめたくもなりますが……。
話の本筋とはあまり関係ありませんし、なにより犯人はトリックをけしかけたつもりも毛頭ない。ただ上着を放り投げただけで、勘違いしたのは水原たちですからね。
まぁそんなこともあるか、で流すことにします。
好きな人から物をもらっても、クンカクンカするのは止めましょう。怪しげな現場を目撃して、殺されかけるかもしれない。
不完全な密室
黒い点がなぜ現れたのか、徹底的に調べたとき。
私たちはようやく、そこにある罪を知ることができると思うからだ。
犯人は、伊丹。
息子を死に追いやった者たちへの復讐だった。
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本作に登場する元気な女性、七夕警部補は、作者である加藤先生の別作品『捕まえたもん勝ち!』シリーズの主人公です。
実は私、まだ読んだことないんですよね。一時期、本屋で探していたんですが見つからず。今はもうアマゾンで本は購入しているので、注文しようと思えばできるのですが……。なんとなくタイミングを失ってしまった状態です。
いい機会だし、買ってしまおうかな。
七夕は元アイドルであり、警察学校で教官を蹴り倒した噂があるとか。あだ名はそのまま「キック」というらしい。
証拠のねつ造もいとわなかった宮古警部。こんな人間は現実世界にいないだろう、と思いたいところですが……。
大阪地検特捜部がやらかしたのは、つい最近ですからね……。こわやこわや。
Q.E.D.の世界では、警察側が不祥事をやらかすのは珍しいかも。警察側に悪が混じっているのは、ドラマ相棒とかではもはやお馴染みですけどね。
伊丹が犯人というのは、意外性があって面白い。宮古警部の最期はQ.E.D.シリーズでは貴重なケースかも。
ただトイレのトリックは、少し厳しいのではなかろうか。犯人が死体を動かしてました系はつい最近もあったし、なにより監視カメラをよく調べられたら犯人もばっちり映っているのでは?
杜撰な捜査だったから詳細は調べなかった、といわれれば納得せざるを得ないのかもしれませんが……。
全体的に面白かっただけに、トイレの件だけちょっと浮いているように見えてしまう。
他作品とのコラボの話は結構好きなので、これからも積極的にやってほしいなぁ。
以上、Q.E.D.証明終了。
捕まえたもん勝ち! 七夕菊乃の捜査報告書 (講談社ノベルス)
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