【ワタシノキオク…】燈馬の妹、来日。万引き犯に間違えられた彼女を救えるか。 & 【青の密室】スカイダイビング中に殺された男。1年前に死んだ女性の怨念?
タイトル | Q.E.D.証明終了(6) |
著者 | 加藤元浩 |
レーベル | 講談社コミックス |
初版発行 | 2000年4月14日 |
あらすじ
ワタシノキオク…
兄妹、再会
燈馬の妹、優(ゆう)が来日。優は、水原の家にお泊り。2人は、想の昔話をする。「私が両親を独占したから、想は誰かに愛されるとか、そういうの何も感じなくなっちゃったのかも」と優は憂う。考えすぎだよ、とさとす水原に、優はこんな話を。「昔イチエンという飼犬がいなくなった時、想は一緒に探してくれなかった」翌日、買い物中に、優が万引き犯に間違われてしまい──。
青の密室
新幹線と正面から当たるのと同じ衝撃
地上でスカイダイビングの講習を受けている燈馬と水原。空中では、4WAY日本代表の方々が練習していた。すると1人垂直落下しているメンバーが。自動安全装置が作動し、失神したと思われるそのメンバー、野牧は地表へと落下。燈馬たちも落下地点。すると先に到着していたメンバー、諸川が、野牧のパラシュートを外し絶句していた。野牧の背に刃物が刺さり、絶命していて──。
Q.E.D.証明終了(6) (講談社コミックス月刊マガジン)
—以下ネタバレ感想—
犯人、トリックについても言及しています。
ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。
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ワタシノキオク…
相手のことが大事だった……。相手のことが好きだった。
その気持ちさえあれば……きっと忘れない……。たとえもう2度と会えなくても……。
なにもさびしくない。新しい世界に向かって行ける。
イチエンを殺してしまったのは、家政婦のヒーラさん。そして原因を作ったのは優本人。
トイレをさせるため、優はイチエンを外に出していた。テレビに気を取られていた優は、そのことを失念していた。外にいるはずのないイチエンを、無警戒だったヒーラさんは車で轢いてしまったのだ。
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燈馬は不愛想に見えることもあるけど、ちゃんと優しい人間なんですよね。妹を空港までちゃんと迎えに行くし、優が万引きしたとはまったく考えもしない。
論理人間の燈馬が、理屈抜きで妹を信頼している。あの水原さえ、ちょっと妬ける、と言わしめるほどです。
イチエンの件も、優をおもんばかっての行動でした。
『ブレーメンの音楽隊』って、名前しか知らないんですよねぇ。
神社の巫女さんに優のアリバイを証言させ、彼女の無実は証明された。
想はイチエンの死を、一瞬で看破した理由は、アジサイの花。
イチエンの首にはいつも、日本円の1円がかけられていた。イチエンが埋められていた場所にはアジサイが咲いており、その1円のアルミ成分に反応し色を変えてしまっていたからでした。
すぐ気付くとは、さすが燈馬というべきか。
あの万引きされた店の、横柄な店長の謝罪シーンが描かれなかったことだけが不満点でしょうか(笑)。焼き土下座コースですよ、あれは。
まぁ、ちゃんと詫びの品まで出しているので、根っこが悪人ではないのでしょうが。店の商品を盗まれたとなっては、頭にくるのもわかります。
もちろん1番悪辣なのは、万引きしたうえに優を殴り飛ばしたあの女性たちでしょうがね。
青の密室
オレだって他のみんなと同じように彼女のことは好きだった。もし野牧が本当にそんなことしたならオレが殺してやるよ。
犯人は、魚脇。
1年前、辻を殺したのは、今回の被害者野牧だった。
野牧はパラシュートに細工。それを本当は熊倉に装備させるつもりだった。熊倉を殺し、辻を手に入れようとしたのだ。
しかし実際、細工したパラシュートをつけたのは辻で、彼女は死んでしまった。
魚脇は、辻を殺した野牧が許せず殺害したのだった。
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辻さんと熊倉さん、かわいそうですなぁ。
マルファンクとか、マジで怖いでしょうね。
被害者の野牧には、同情の余地はありませんね。どうせなら辻さんと同じように、地面にたたきつけてやればいいのに、と過激なことを思わなくもない。
被害者である野牧は、スカイダイビングをする前、ヘリの中ですでに殺されていました。しかし野牧はヘリの中で会話していたという。
どういうことなんだろう?
そのトリックは、名前を使ったものでした。
ヘリの中は爆音であり、声で誰かは判別できない。しかもヘルメットをしているため、誰が誰だかわかりにくい。
それぞれ腕に苗字の腕章をしている。それを魚脇は利用したのだ。
nomaki
uowaki
2人の苗字は線対称と非常によく似た状態になっており、腕章をひっくり返すと人物を誤認させられる(aはパソコンでうつと対称には見えないけど……)。
魚脇は自分の腕章をひっくり返し野牧に、野牧の腕章を魚脇に見えるように反対にして細工したのでした。
まぁこういうのは、「そのためにこういう苗字つけたのかぁ」と思ってしまうと冷めちゃう方もいるかもしれませんね(笑)。私はあんまり気にしないけど。
スカイダイビングにむりやり連れていかれる燈馬。ニュートラルポジションの練習をさせられて恥ずかしそうにしているシーンはほほえましい……いえ、かわいそう。
とはいえ、証拠確保のためとはいえ、ちゃんとスカイダイビングをこなす燈馬は、やはりかっこいいですね。
次はエベレストに連れていかれそうになりますが……。
さすがに山はシャレにならなそう……と思ったけど、すでに冬山で遭難しかけてましたね(笑)。
2人なら、イモトさんもびっくりの登頂を成し遂げるかもしれません。
以上、Q.E.D.証明終了。
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