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Q.E.D.証明終了(31)

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【眼の中の悪魔】実験のねつ造を疑われた研究者。データは誰かに盗まれてしまったらしい。 & 【約束】遭難した雪山で交わされた殺人の約束。3年後、その約束が現実のものになった?


タイトル Q.E.D.証明終了(31)
著者 加藤元浩
レーベル 講談社コミックス
初版発行 2008年10月17日
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あらすじ

眼の中の悪魔

ロキの友人の災難

アメリカで開かれた聴聞会。ルーカスが実験データのねつ造を疑われていた。どこの研究所も、彼の実験を再現できなかったらしい。その実験データは盗まれて、とルーカスは主張。データ整理を手伝ったロキが、次の聴聞会で証言しなくてはならなくなったそうだ。下手な証言をしようものなら、ルーカスの後ろ盾である大物科学者ローゼンフェルド教授から睨まれてしまう──。


約束

冬山で交わした約束

トレッキングにやってきた燈馬たち。そこで滑落して亡くなった人を見た。彼の名前は、駒田利一。穂高、北、阿相と駒田は友人同士。4人で山登りに来ていた。事故かと思われたが、山小屋の主人がこう叫んだ。「死んだ男の名は駒田利一!? それじゃ本当に親父の言った通り……本当に約束を果たして殺人を?」主人の親父は3年前、恐ろしい体験をしていて──。


—以下ネタバレ感想—

犯人、トリックについても言及しています。

ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。

眼の中の悪魔

科学者は常に新しい発見、新しい技術を求められる。

そしてそれは直接、出世や給与に結びつく。人より早く結果を出さなければ!!

自分の理論が正しいことを証明しないと……。そんなとき、眼の中に悪魔が入る。

そいつは見たいと願うものを、現実にあるかのように見せてくれる。

 

データは、ねつ造されていた。

ルーカスは自分の都合のいいようにデータを改ざんしていたのだ。

当然、他の研究所が再現を試みても、うまくいくわけがないのである。

眼の中に悪魔が入り込んでしまった、1人の研究者のお話でした。

意図的じゃなくても、あいまいな感覚で実験してしまうことはあるらしいですね。作中ではメンデルが、その例であげられていました。

メンデルの法則
遺伝学を誕生させるきっかけとなった法則であり、グレゴール・ヨハン・メンデルによって1865年に報告された。分離の法則、独立の法則、優性の法則の3つからなる。
豆の実験において、あいまいな部分を感覚で決めていた。

法則が合ってたからよかったものの、違ったらやばかったかもしれませんなぁ。

下手すりゃ科学の汚染につながりかねません。

ロキは危うく、自分の研究者への道すら潰されかねない立場でしたが、燈馬のおかげで助かりましたね。

僕は科学者ですよ嘘なんかついてない、と冒頭であれだけはっきりと宣言していたルーカス。

めちゃくちゃウソツキであることが鮮明になったわけですが、はたして信頼を1から取り戻すことなどできるのでしょうかねぇ。

大物の教授を怒らせたうえ犯罪者扱いしたルーカス。

彼の復帰への道は果てしなく長く険しいものになりそうです。

燈馬がねつ造と見破った理由は、遠近法。

映像データに映った円形の台座の形。それが全て楕円(だえん)形で映っていたのだ。本来なら、これはありえないことだった。

データの映像を見ただけで、ルーカスのねつ造を見破った燈馬はお見事。

ただ、どういう風にデータをねつ造したら、台座の円が全部楕円に見えるんや。映像を1から手動で作ったのかな。

厄介ごとを断りにくい雰囲気にするために決まっているだろ、と言い放たれた燈馬。そりゃ、そんな顔にもなりますわな。

本場のショーをタダで見れたような水原とは、置かれている立場が違いますもの。


約束

なんでオレはあんなことを藤に……。

駒田が金を返さなかっただけで、なんで、あそこまで頭に血が上ったのか……。

バディはお互いの生死に責任を持つんだ。

 

犯人は、阿相。

阿相と駒田には、今はもう解決しているが、金銭トラブルがあった。

3年前の出来事。力尽きようとしていたのは阿相。殺人の依頼をしたのも阿相だった。

ただし雪崩に飲まれたのは、依頼された方の人物、藤。

山小屋の主人の親父は、それを勘違いしていた。

 

ハリ
ハリ

力尽きそうだった方が、山小屋に駆け込んできたとは思わないもんね!

 

死ぬ間際、阿相は藤に殺人の依頼という恐ろしい事を願い了承させてしまった。藤に重荷を背負わせてしまった。

藤はそんな状態で雪崩に巻き込まれた。自分でさせた約束は自分の手で完遂しなければ。

阿相はそんな脅迫観念に追い込まれていたのだ。

3年越しの約束のための殺人でした。

とはいえ、動機に関してはちょっとよくわからないというか掴みにくいというか。

バディというお互いの生死をかけた関係性の上で、極限の状態で交わされた約束だからこその殺人だったのかもしれませんが、私には理解不能ですかね。

実は駒田は後から落とされていた、というのは面白い。駒田が落ちる瞬間を、穂高や北が目撃したらものすごくシュールなことになりそうだけれども。

 

ハリ
ハリ

あ然としちゃうよね……。

 

現場検証で滑った跡とかぶつかった跡とかわかるなんて、すごいですなぁ。それで自殺か他殺かの線が出てきたわけですし。

今回の教訓。

借りたお金はすぐに返しましょう。取り返しのつかないことになる前に。

以上、Q.E.D.証明終了。

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