【ライアー】嵐の中をつき進むクルーザーの中で起きた奇妙な殺人。容疑者全員にあるアリバイの謎。 & 【アナザー・ワールド】リーマン予想を証明すると宣言した数学者が行方不明に。
タイトル | Q.E.D.証明終了(23) |
著者 | 加藤元浩 |
レーベル | 講談社コミックス |
初版発行 | 2006年3月17日 |
あらすじ
ライアー
台風に巻き込まれ、そして……
妹の優に呼ばれ、台湾にやってきた燈馬と水原。燈馬の父母が来るという。しかし父母はなんと、勝手に沖縄に行ってしまった。急いで沖縄に行こうとするも、飛行機も船も乗れず。途方に暮れていた3人。そこに燈馬の知り合い、ライアンがやってきた。ライアンに借りを作りたくなかった燈馬だったが、水原と優におされ、彼のクルーザーに乗せてもらうが──。
アナザー・ワールド
数多の数学者が挑む難問
「私が”リーマン予想”を証明する」2年前、燈馬にこう言った数学者がいた。その数学者は、レフラ博士。現在。燈馬と水原、ロキはアメリカにいた。そのレフラ博士が行方不明になったという。燈馬たちは博士の家へ。そこで燈馬たちは、不思議な4行詩を見つける。燈馬たちはその後、博士の娘、妻、恩師、親友を訪ねた。それぞれ博士から、ある絵を受け取ったと言い──。
Q.E.D.証明終了(23) (講談社コミックス月刊マガジン)
—以下ネタバレ感想—
犯人、トリックについても言及しています。
ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。
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ライアー
トーマ、会社を起こし上に立てば恨みを買うこともある。
それをコントロールするのも仕事さ。明日になれば驚くような結果が待ってるぜ。
犯人は、バリー。
犯人はバリーの単独犯であり、動機はベスを守るため。
ベスがライアンを殺害したと勘違いしたバリーの手によって、本当に殺されてしまったのだ。
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かの有名なアガサクリスティの『あの作品』みたいな話、に見せかけた、まったく違うお話でした。
ライアンの体には5か所の傷がついていた。そして容疑者は5人。それぞれがそれぞれのアリバイを主張している。
この状況だと、ある仮説が浮上しますよね。
全員が結託し、1人1刺しでライアンを殺害。お互いをかばい合うというトリック。
しかしそれはミスリードでした。
ひっかけだね!
そもそもこんな事態になったのは、ライアンが原因でした。
”自分を殺したいほど憎んでいる相手をコントロールする方法”
ライアンは、こんなことを考えていました。
”自分が殺人罪に問われる恐怖を与えること!!”
ライアンは自分の体に血のりを塗り、死を偽装。その状態で5人を1人ずつ自分の部屋に招いた。
ライアンに激しい憎悪を抱いている彼らは、自分が殺人犯ではないか、と周りに疑われる恐怖を抱くことになる。
そんな恐怖と不安に陥れることこそが、ライアンの企みだったのだ。
こんな悪だくみをしなければ、命を落とすこともなかったのに。
策士策に溺れると言いますか、余計な計画を立てなきゃこんな事態にはならなかった。とはいえ、ライアンにはあまり同情はできませんかね。
ベスの件はともかく、いじめの加担はいかんでしょ。
ベスとバリーのディープキスを見せつけられて、照れてる水原と優、いいね。
ついに燈馬のお父さんお母さん登場か、と思わせてそんなことはなかった。勝手に沖縄に行っちゃうとか、さすが燈馬の両親といったところか。
アナザー・ワールド
3人とも博士の生活に立ち入り、仕事をさえぎった。博士はそれが、我慢できなかったのでは!?
あなたはこう言われました。
”彼は何かを終わらせたいと考えていた。私にはその気持ちが痛いほどわかった。”
あなたが察したのは、レフラ博士の研究に没頭したいという気持ちだ。
レフラ博士は、生きている。
娘、妻、親友はそれぞれの理由で、レフラ博士の研究の邪魔をしてしまっていた。
だから博士は姿を消したのだ。自分の研究に専念するために。
博士は集中したかったんだね。
レフラ博士の死の偽装をしたのは、恩師。
博士の意を組み、協力してくれたのだ。
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ちょっと難解過ぎんよぉ。23巻中、1番難しいお話では?
正直、初見ではよく意味がわからなかった。もう1回読んでも、よく意味がわからなかった。
あの詩はそもそも、博士の絶望をうたったものではなかったそうです。
頭脳明晰な燈馬による、数学的見地から推理によると、あの詩の本当の順番は、
『私は王になり全ては零になった』
『私は死を選ぶ。知る限り無限に近い場所で』
『私は未知の世界へ旅に出た』
『私は無限の地でドラゴンを倒す』
となるとか。
これは、失望の王の再生の詩。これがレフラ博士のメッセージだったらしい。
正直、わからん。
数学の単語が出てきても、今まではおまけ程度の扱いがされていることが多かったのですが、このお話ではがっつり絡んできますからね。アホなわたくしめには理解が及ばない。
スキューズ数とか、
わけわからん。
せいぜい4色問題くらいが、私の許容範囲かもしれない。
禁断の領域に手を伸ばしかけた燈馬を心配する水原。
リーマン予想は人を狂わせる。その話は何度も聞きました。
MIT時代、燈馬が研究していたのがリーマン予想であることを知っている水原は、はっきりと燈馬を止めることができない。
「大丈夫、向こう側には行きません」
燈馬の言葉を聞いて、心底安心する水原。
そうそう、こういうのでいいんですよ、こういうので。
以上、Q.E.D.証明終了。
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