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もっけ

マンガ
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見える少女と、憑かれる少女。

もののけを引き寄せてしまう体質の、2人の成長を描く物語。


タイトル もっけ
著者 熊倉隆敏
レーベル アフタヌーンKC
初版発行 2002年6月21日
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もっけとは

物の怪(もののけ)、つまりは妖怪のことです。

世界にはもっけがあふれかえっているそうです。しかし一般人にはそれを見ることも、声を聴くこともできません。

少なくとも私は経験上、それらの存在を肌で感じたことはありません。

でも作中に出てくる主人公たちは、それらを観測することができます。彼女たちは、もっけとどのように関わり暮らしているのか。

今回は、そんな本の紹介です。

主人公は2人

ストーリーは主に2人、檜原(ひばら)姉妹の視点で展開されます。

姉である檜原静流(しずる)は、もっけを目で見ることができる体質の持ち主です。

初登場時は中学2年生。最終巻では、高校2年生まで成長します。

美人で男子から人気がありますが、性格はおとなしく、読書好きです。

拝み屋の祖父から、「もっけにあまりかかわるな」と言われているにもかかわらず、妖怪関連で困っている人がいたら完全に見捨てることができず、ときよりトラブルに巻き込まれます。

妖怪に関する知識は持っていますが、自身はただ視認できるだけで、妖怪をはらう術を持ちません。

もう1人の主人公は、静流の妹である檜原瑞生(みずき)。最初は小学校5年生。最終的に中学2年生にあがります。

瑞生は妖怪を見ることができません。何かがいる、と感じることはできます。また、もっけに憑かれることもしばしばあり、帰宅時や道端でよく倒れます。

祖父に作ってもらった護符が手放せません。姉とは違い活発な性格をしているため、その護符をよく失くして怒られます。

運動が得意で、下級生から人気があります。

物語はこの、ある意味正反対の2人の視点で進みます。

1話完結型の短編マンガ

この作品は長編がなく、基本的には1話完結型ですっきり終わります(話をまたがってつながるものも一応ありますが)。

また激しいバトル展開はありません。牧歌的に話が流れていきます。

 

ハリ
ハリ

平和なマンガもいいよね。

 

もっけを見た(憑いた)→祖父に相談(もっけの解説)→何かしらの解決、というのが一種のフローチャートになっています。

主人公たちの体質や性格が違うため、最後まで飽きずに読むことができますよ。

また、自らも視ることができる力を持つ、静流と瑞生の祖父もいいキャラ立ちをしています。

ただやさしいだけでなく、ときに突き放すかのような態度をとる祖父ですが、それは2人の将来を思ってのことなのです。

妖怪が、わりとこわい

若い女の子2人が主人公だし、絵柄はかわいいし、牧歌的な物語というなら、もっけたちはさぞデフォルメされた状態ででてくるのだろう、と思う人は多いかもしれない。

そんなことは、まったくありません。

というか、こわいです。けっこうリアル(?)志向です。

白目の黒い犬のようなもの、2足歩行の顔面には口だけしかないもの、山姥みたいなようなものなどなどいろんなもっけたちが登場します。

 

ハリ
ハリ

夜、寝れなくなっちゃう……。

 

彼らは人間に害をなすものがけっこういますが、中には優しい性格をしたものたちもいます。

個人的には、5巻のカマイタチの話が好きです。

瑞生を切ろうとするカマイタチですが、うまく切ることができません。霊力が衰えて、カマを出すことができないからです。瑞生には、カゼイタチ、とバカにされる始末です。

カマイタチが近くにいると、悪いもっけが近寄らなくなるため、瑞生も特に気にしませんでした。

そんな2人でしたが、ちょっとしたことで喧嘩し、カマイタチが離れていってしまいます。

その隙を狙ってか、悪いもっけが瑞生を襲います。

喧嘩しても瑞生のことをずっと見守っていたカマイタチは、彼女を助けようと空をかけます。今まで成功することのなかったカマの出現を果たし、悪いもっけを追い払ったのでした。

たったこれだけの話ですが、風来坊のようなカマイタチの性格が、私はとても気に入っています。

他にも様々な妖怪を描きつつ、それらとときにいがみ合い、ときに助け合い成長していく2人の物語が丁寧に描かれていきます。

ぜひ実際に読んでみてください。十分、楽しめる作品だと思います。

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