【アステカのナイフ】殺された男。凶器は犠牲式用のナイフ。 & 【爆破予告】大恐竜展への爆破予告。犯人の目的とは。 & 【幸運】殺人容疑で逮捕された男を救った、意外な人物。 & 【大入道の屏風】探偵マウ再び。潰れかけたマウ美術商を救うのは、とある屏風?
タイトル | C.M.B.森羅博物館の事件目録(27) |
著者 | 加藤元浩 |
レーベル | 講談社コミックス |
初版発行 | 2014年10月17日 |
C.M.B.森羅博物館の事件目録(27) https://t.co/DSbE1IkU0z
— ウエスト記伝 (@west_kiden) February 7, 2019
あらすじ
アステカのナイフ
殺されたのはコレクター
母親が殺人容疑で逮捕されてしまった鉄男は、森羅に相談。被害者と面識があった森羅は、調査に乗り出す。殺害された虎目の首に深々と刺さっていたのは、アステカのナイフであり──。
爆破予告
犯人の本当の狙い
開催の迫った恐竜展覧会。そこに爆破予告が送られる。会場から関係者を避難させ警察が大勢押し寄せてきたことで、事件は大騒動に。そんななか、宣伝部部長の不正行為が明るみになり──。
幸運
自分だけの力で
密室で見つかった死体。逮捕されたのは唯一、部屋に入ることができた馬淵だった。馬淵は最近3人の人間とトラブルを抱えていて、その3人ともが被害者を殺害する動機があり──。
大入道の屏風
資金を調達せよ!
経理ミスで潰れかけたマウ美術商。起死回生の1手としてマウは、遺品整理の依頼を受けることに。50万ドルの依頼だったが、とある屏風を見つけてくれたらさらに上乗せするといわれ──。
—以下ネタバレ感想—
犯人、トリックについても言及しています。
ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。
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アステカのナイフ
だから言ったのに……。警察に任せておけばいいって……。
余計な人を連れてくるから……。
犯人は、紅玉瑠璃。
息子のために遺産を守ろうとしたのだった。
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いかにも犯人じゃなさそうな人が犯人だった、というお話。
最初に疑われた人はだいたい犯人じゃないのがミステリーの定石ですが、その裏をかいたストーリーでしたね。
素朴な感じのした瑠璃でしたが、行った殺害方法はまるでくのいちのよう(笑)。あれだけもがき苦しんだ被害者のメガネが外れないのが、ちょっとシュール。
凶器は、アステカのナイフ。
レコーダーが入っていたのは、アラバスターの壺。
いつもはそこそこ優秀な鯨崎警部が、今回に限ってあまり捜査していないのはじゃっかんの違和感を感じる。話の都合上、仕方なかったのかもしれないけどね。
父が殺され母が逮捕されてしまった鉄男。気絶してしまうのも致し方ない。彼の明日はどっちだ。
爆破予告
定年前に失ったものを取り返しても罰は当たるまいと思ったが……。
少しだけ歩くのが速かったな。
犯人は、鳥羽。
株の大儲けを狙ったのだった。
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見た目素朴な犯人、その2。
騒動を起こして世間の注目を恐竜展覧会に集めたかったわけでもなく、部長の不正を暴きたかったわけでもなく、株での儲けを狙った犯行でしたとさ。
中央にレイアウトされたのは、ブラキオサウルス。
鳥羽の狙いは、ニューヨーク証券取引所。
手柄を全部、寺野に持っていかれていた鳥羽。「少しだけ歩くのが速かった」というよりは、「歩き出すのがだいぶ遅かった」のではなかろうか。
もっと自分の実績をアピールしていれば、こんな犯罪に手を出すことはなかったかもしれないのに。
幸運
オレが今こうしていられるのは……。
幸運だったからだ。
犯人は、辛島。
会社の金を横領したのがバレそうになったから、殺害したのだった。
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人は1人で生きているわけではない、というお話。
不謹慎かもしれないが、死体がデューク更家ポーズなのは正直ちょっと笑った。まぁ本来は被害者に落ち度がない分、殺された事には同情すべきなんだろうけどね。
扉の裏に死体があるトリックは、金田一少年の事件簿『人喰い研究所殺人事件』にもあったかな。いや正確にいうと、意識を失っていただけでまだ死んでなかったんだったかな。ちょっと忘れてしまった。
オートロックだから閉めると勝手に鍵がかかってしまう。だから開けっ放しで外出ってそんなこと普通、ありえるのかなぁ。オートロックの意味とは……。
オートロックは閉め出されそうでやだなぁ……。
トラブルを持ち込む厄介者とされていた3人が、馬淵のために犯人探しを手伝うというのはいいね。馬淵もそこでやっと、1人で生きてきたわけではないことに気が付く事ができましたっと。
森羅の出演が後半のみ、というちょっと変わったプロットでしたね。
大入道の屏風
現実がどうしようもないときに、知恵を絞ってなんとかするのが「考える」ってことよ!
マウが主役の話、第2弾。
世界的に活動しているだけあって、マウにも部下がいっぱいいるようですね。前回も今回も、あまり部下に恵まれてはいないように見えますが(笑)。
フィラデルフィア万博では、日本のブースが大成功を収めたらしい。
西洋の作家たちに、多大な影響を与えたらしい。
屏風のトリックは、組み合わせ。
100年あったら誰か気づけよ、と思わなくもないが、向こうの人たちは屏風をひっくり返すという発想が浮かびにくいのかもしれない。
これを思いついて実行し、ピンチを脱した川岸はすごい。ぜひとも見習いトリオには、お手本にしてほしいものだ。
「知恵を絞ってなんとかするのが考えるってこと」とは、なかなかの名言。
いつもは森羅にやられてばっかりのマウですが、主役になったとたんに一転、とても主人公っぽく変貌しますね。
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