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C.M.B.森羅博物館の事件目録(25)

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【掘り出し物】山の中に孤立したペンション。宝はあるのか。 & 【バッグストーリー】ロダンの『考える人』は何を考えているのか。 & 【その朝、8時13分】行方不明の女性。変わらない日常。 & 【香木】不思議な雰囲気のある香木。幽霊の正体とは。


タイトル C.M.B.森羅博物館の事件目録(25)
著者 加藤元浩
レーベル 講談社コミックス
初版発行 2014年2月17日


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あらすじ

掘り出し物

宝のありか

とあるペンションに足を運んだ森羅たち。横槍の親戚がちゃんと経営できているのか、確認しに来たのだった。立地も悪く買い出しも不便な場所だったが、なんと近くにがあるらしく──。


バッグストーリー

考える人

森羅が3年前から狙っている鞄。職人が頑固でどうしても売ってくれないのだ。「”考える人”は何を考えているのか教えてくれ」ある時職人が、買い付ける条件にそんなことを言いだし──。


その朝、8時13分

変わらない日々

行方不明になっている女性、戸崎。彼女にそっくりな人を駅で見かけた日比野は、尾行し本人か確かめようとする。しかし駅の行き止まりで、その女性は忽然と消えてしまい──。


香木

幽霊騒ぎ

師匠の美貌に魅かれ、香道教室に通うようになった会社員3人。師匠である椿は、正体不明の香木を持っていた。謎の香木に興味を持った森羅は、それを調べることになり──。


—以下ネタバレ感想—

犯人、トリックについても言及しています。

ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。

掘り出し物

夏が過ぎて浜辺のお客さんがいなくなる頃。

ここにはきっとハイシーズンが来るよ。

 

宝の場所は、洞窟の奥。

岩に遮られ、水を抜かないとたどり着けなかった。

開店準備途中のペンションと、お宝探しのお話。

親族とはいえ200万もポンと貸すのはスゲェな。しかも元々は女性目当てとか……。これで失敗したらマジで笑えないところでしたね。

宝の正体は、ツキヨタケとヒカリゴケ。

ツキヨタケ
ハラタケ目ホウライタケ科のツキヨタケ属に属するキノコの一種。ひだには発光成分を有する。
ヒカリゴケ
ヒカリゴケ科ヒカリゴケ属のコケ。光を乱反射させ、光っているように見える。絶滅危惧種。天然記念物。

ツキヨタケはシイタケなどと間違えられて誤飲しやすく、中毒症状を起こして死亡する例も報告されているらしい。もし観光資源とするなら、管理はちゃんとしないとマズそう。

ヒカリゴケは、ドラクエ7の重要アイテムとして登場したなぁ。まぁあっちは、自分で光っていたけど。

なんだかんだ達洋本人のやる気はあるみたいだし、きっとペンションは成功するでしょうね。


バッグストーリー

頭の中にあるのは、ただ……。

ベアトリーチェのことだけだ。

 

ロダンの”考える人”と、故郷に思いを馳せる男性のお話。

ロダン
オーギュスト・ロダン。フランスの彫刻家。19世紀を代表する彫刻家とされ、『近代彫刻の父』と称される。代表作に『地獄の門』。
地獄の門
ギベルティ作『天国の門』に感銘を受けたロダンが作成した作品。上部にくっついていた彫刻が独立して”考える人”になった。地獄の門は、ダンテの叙事詩『神曲』に描かれている。
考える人
オーギュスト・ロダンが制作したブロンズ像。
ダンテ
イタリア都市国家フィレンツェ出身の詩人、哲学者、政治家。
神曲
13世紀から14世紀にかけてのイタリアの詩人・政治家、ダンテ・アリギエーリの代表作。地獄篇、煉獄篇、天国篇の3部から成る長編叙事詩。

”考える人”は、もともと”見ている人”だったらしい。名づけ親はロダンではなくリュディエという鋳造職人だそうだ。

考える人が本当にベアトリーチェの事を思いふけっているかどうかは定かではありませんが、エリオが納得したのは近山のその答えでした。

近山の心情の吐露で、自分と似たような境遇だったとエリオは悟り、思うところがあったのかもしれません。

森羅が敗北するのは珍しい。ちゃんと”驚異の部屋”にご案内しないから……。メタ考えをするなら、負けるからこそ決め台詞を言わせなかったのかもしれないけどね。


その朝、8時13分

期待したんだ……。本当に生き返ったんじゃないかって……。

バカなことやったのは全部夢で……。

朝になったら懐かしい平凡な毎日に戻ってるんじゃないか……って。

 

犯人は、日比野。

恋人である戸崎を殺し、山中に埋めたのだった。

ちょっと風変わりなお話。

自分で殺した人間のニュースが流れているのに、平然としているのはわりと怖い。

彼女の名前は”チエリ”と思わせて、実は桜=チェリーブロッサムからとったあだ名だったというのは面白い。まぁカタカナで表記している時点で、だいぶ怪しさ満点だけど(笑)。

一読してからもう1度読むと、ああこういう意味だったのか、とわかるのはいいね。戸崎っぽい人を最初に駅で見かけたときの日比野の表情とか、違う意味にとれる。

殺人じゃなくても、なにか大きな失敗をしたとき、寝て起きたら世界が変わってないかなぁ、と現実逃避したくなるのはちょっとわかる。

でも3日連続で同じ場所を掃除するのは、ちょっとありえないような……。駅構内だと、普通なのかな?


香木

ありがとうございます。

 

謎の香木の正体は、人の骨。

骨に染み付いた香りが残っていたのだ。

謎の香木の秘密に迫るお話。

香木
心地よい芳香を持つ木材のこと。

香道は、香りを楽しむ芸。

香道
沈水香木と言われる東南アジアでのみ産出される天然香木の香りを鑑賞する芸道。「香道」自体は日本独自の芸道。

師匠に見惚れて香道教室に入るのはいいけど、杉越はさすがにちょっとキモイ。教室の生徒とはいえ、男性3人を泊める師匠も正直、危機感が足りていないのではなかろうか。

水浸しのトリックは、保冷剤。

現実でシップでも踏んづけて思いついたトリックだったのだろうか。

杉越もそんなもんに騙されんなよ、言いたくなるが、暗闇の中床が濡れて冷たかったら結構ビビるかもしれない。

 

ハリ
ハリ

ハリなら叫んじゃうかも……。

 

謎の香木の正体は、人骨。

曾祖父の代から受け継がれてきたそうですが……。よくわからん他人に自分の骨をかがれ続けたら、さすがにいい気分はしないでしょう。死んでも死にきれません。

オチがちょっと怖い。

世にも奇妙な物語でありそうなストーリーでしたね。

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