【12月27日】フラれたことを認められない男。 & 【転落】温泉宿で階段から落ちた男性。 & 【木片】博物館に展示されている謎の木片の正体。 & 【犀の図】森羅の養父。絵を盗んだのは誰なのか。
タイトル | C.M.B.森羅博物館の事件目録(20) |
著者 | 加藤元浩 |
レーベル | 講談社コミックス |
初版発行 | 2012年6月15日 |
C.M.B.森羅博物館の事件目録(20) https://t.co/pV1q7CWr1f
— ウエスト記伝 (@west_kiden) January 31, 2019
あらすじ
12月27日
仮装クリスマスパーティー
何度もラブレターを出しては袖にされる八合目。学校で開催されるクリスマス会で直接告白しようと意気込む。大事な化石をプレゼントしようとしていたが、それがどこかへ行ってしまい──。
転落
階段で転落死
携帯コンサルタント会社の社長、江頭は粉飾決算の指示を出していた。「もうこれ以上犯罪に手は貸せない」経理主任の手形にそう言われ、江頭は彼を殺害する計画を立案することに──。
木片
江戸時代へ
何の説明もない木片の展示品が、博物館にあった。よくわからないが、森羅はそれが気になってもらってきたという。そんなおり、幽霊を呼び寄せるという木切れを女子高生が持ってきて──。
犀の図
森羅の養父が犯人?
モーリス博士。森羅の3人いる養父の1人で、必要なこと以外喋らない人物だった。あるとき、彼が調査していた版画の1つが盗まれる。なんとモーリスは自分が犯人だと自首して──。
—以下ネタバレ感想—
犯人、トリックについても言及しています。
ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。
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12月27日
いつまでもこんなの握り込んでないで、新しい宝物見つければいいの!
あんまりミステリーという感じではないかな。横槍とトナカイが別々にいる、という事実に気付けるかどうかのお話だった。
何かいい感じにまとめられているけど、普通に八合目は怖いんだが……。ストーカーにならないことを祈っている。
フズリナの化石が登場。
八合目の幼馴染かつ登山仲間の由可。彼を下の名前で呼んでいるし、セリフの端々から推測するに多少なりとも八合目に気があるのかもしれない。しかし正直、八合目は彼氏としてはどうなのだろうか。
Q.E.D.シリーズの方では”栗ヨーカンパーティー”でしたが、こちらは仮装クリスマスでした。こんなに人が集まるとか、みんな仲良すぎじゃね?
ところで恐竜の化石に合う巨大な帽子は、どうやって手に入れたのだろうか。さすがにアマゾンでもあのサイズは売ってないと思うが。
転落
子供にも仕事にも金を惜しまなかったが、殺人にも金をかけるべきだった……。
宿を貸し切りにさえしておけば、完全犯罪だったのに。
犯人は、江頭。
粉飾決算をバラされそうになったから、その口封じの犯行。
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C.M.B.では珍しい、倒叙式のお話でした。
経理をごまかしてすでにボロボロの状態の会社でしたが、社長がトドメを刺してしまいましたね。
赤字経営が白日の下に晒されるでしょうし、社長が殺人を犯したという事実。これで会社がもったら、逆にすごい。
江頭の子どもは可哀そうですが、彼自身に同情の余地がないのがなんとも……。最後は反省どころか、もっと金をかけておけばよかったとか言ってるし、始末に負えない。

お子さん、どうなっちゃうんだろう……。
トリックも事前に計画を立てていたにしては、ちょっとおざなり。録音も当日行っているし、殺害方法が不特定多数に見られかねない階段からの突き落としとか……。誰かに目撃されたらどうすんねん。
服を脱がせてスリッパはそのままとか、何かのプレイかな? 被害者の体が赤くなっていないから温泉に入っていないことだって、警察ですらすぐわかるでしょうし。古畑任三郎がいたら静かに微笑んでますよ。
森羅にすらマヌケ扱いされているし、C.M.B.におけるアホな犯人トップ5には楽々ランクインしそう。
木片
はい! これあげるから。
好きなだけ彫って下さい。
あ……ありのまま、今、起こった事を話すぜ! 博物館に幽霊が来たと思ったら、江戸時代に飛ばされていた。何を言っているのかわか──(以下略)。
いつもとはだいぶ、毛色の違うお話でした。ヒヒ丸でも幽霊にはビビるらしい。
仏師とは、仏像を彫る人のこと。
龍慶の弟子が止めてしまう理由は、完全さに耐えられないから。
まぁたしかに、最高の食材を用意してもらって調理して、あんまりおいしくない料理が出来上がったら自信を無くすのもわかる。
木の中に己の望む最高の仏が見える、というのはファンタジー要素に足を踏み入れているけど、夢の中だからセーフ。
七瀬の出番は、ほとんどなし。こんなに出番のない回も、珍しいことだ。
犀の図
そうか、わかった!
モーリスさんがわざわざ拘置所に入るような作戦をとった本当の理由。
森羅に会うためだ!
犯人は、ライナス(とデック)。
お金を得るための犯行だった。
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題名が、屑の図、に見えたのは私だけじゃないはず……。
森羅の養父の最後の1人、モーリス博士が登場。もっと引っ張るかと思っていたけど、あっさり出てきましたね。
デューラーという版画家がいたらしい。
描かれたものは、実際のサイとはだいぶ違う見た目だったけど人気が出たそうな。
トリックは、糸。
ヤママユガという、ポケモンの名前みたいな虫の糸が使われた。
クモの糸が実はとんでもない強靭な物質というのは有名な話。虫の作り出す糸というのは、見た目は細く弱弱しいけど、思いもよらないところで使われてたりしますよね。
糸を使って版画を引き寄せるのはいいけど、絵が傷つきそうで怖い。そういう意味でも、犯人はライナスしかいないのかも。博士たちがそんな、研究資料をぞんざいには扱わないだろうし。
モーリス博士が森羅を呼んだ本当の理由は、森羅に会うため。
息子だから当然とはいえ、もうだいぶデレている状態。こういう場合なんていうんだろう。ツンデレもヤンデレも、モーリスには似合わない。あえて言うなら、クーデレということになるのかもしれない。
拘置所で座禅を組んでいると、なんとも大物犯罪者臭がすごい。
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