【龍鳳】中国の黒社会。組織の命運を握るのは、双子の男女。 & 【『A列車で行こう』】転校先の学校が、何かおかしい。 & 【ガラスの博物館】割れたティファニーのガラス。
タイトル | C.M.B.森羅博物館の事件目録(18) |
著者 | 加藤元浩 |
レーベル | 講談社コミックス |
初版発行 | 2011年10月17日 |
C.M.B.森羅博物館の事件目録(18) https://t.co/7PdZ35ZplF
— ウエスト記伝 (@west_kiden) January 29, 2019
あらすじ
龍鳳
似てない双子
香港の不動産王、周に招待された森羅。仕事の依頼を受けていたその時、周と敵対する組織の会長が謎の死を遂げる。事件のキーとなったのは、周の子供である双子の男女だったのだが──。
『A列車で行こう』
何かがおかしい学校
転校初日、クラスメイトの田岸に睨まれてしまった堺。気に障ることをしただろうか、と疑問に思う。帰り道、とある三叉路で気分が悪くなった堺。振り向くとそこには、田岸がいて──。
ガラスの博物館
趣味の展示会
高級住宅街に建設された博物館。金遣いの荒い主婦、甲斐が建てたそこには、偽物やら希少品やらがごちゃまぜに置かれていた。すると誰もいない展示室で、作品が割られる事件が起こり──。
—以下ネタバレ感想—
犯人、トリックについても言及しています。
ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
龍鳳
あの家を守ったのは置物なんかじゃない。
本物の龍鳳なんだ。
犯人は、呉。
双子による犯罪だった。
–
推理物ではよくある双子トリックでしたが、ひとひねりしてあったかな。まさかそいつらまで、双子なのかよ、と。
死んだ北興会の会長が、紛らわしいことを言い残すのが悪い。「あのハゲの双子が~~」とでも口にすればよかったのに(笑)。
黒社会は、中国のヤクザのこと。
龍鳳胎は、めでたいものだそうだ。
一人っ子政策を推し進めていた時期の中国でも、双子の場合はちゃんと戸籍を取得できたらしい。
田刑事も再び登場。
あれ、こんな性格だったかな? ちょっと勇ましくなったような……。
中国では”福”を逆さまにすると、縁起がいいそうだ。
中国語では、『福が来る』と『福が逆さ』が同じ発音なんだとか。タオフー、と読むらしい。
逆さてるてる坊主の考え的には、逆さまにすると逆効果、つまり福が逃げるんじゃないかと直感的には見えなくもない。
てるてる坊主を逆さまにするのは、ちょっとかわいそう……。
トリックは、双子の入れ替え。
ただ双子がすり替わるだけではチープとしか言いようがないけど、意外な人物たちがチェンジしていたとなれば話は別かな。
せめて王くらいは正体に気付けよと思わなくはないが……。まぁ双子というのは、それだけ見破りにくいということなのだろう。
ラストシーン。はたして息子の生きた姿を見たとき、母親はどんな反応をしたんだか。少なくともそのあと、運転なんてできる状態じゃなかっただろうね。
『A列車で行こう』
オレがやります。
修二の学校での記憶は、オレが戻します。
堺は、転校したわけではなかった。
記憶喪失になっただけだったのだ。
–
トラックに轢かれて異世界に飛ばされないなんて、お前それでもマンガのキャラか。
クラスメイトが余計な茶々を入れずに全員協力してくれるなんて、なんていい学校なんだ。
A列車で行こう、はジャズでは定番の曲。
音楽に疎い私は、どんな曲かは知らない……。ちょっと調べたけど、いまいちピンとこなかった。
田岸は目つきは悪いですが、友人の記憶を取り戻すために親身になって接してくれるいい人でした。しかしトラックに飛び込むのはいささかやりすぎ(笑)。轢かれて死んだら、元も子もない。
ガラスの博物館
いいんじゃない?
好きにすれば。
犯人は、勝野。
本物のティファニーは、後で持ち出すつもりだった。
–
投げやりになる森羅というのは、結構珍しいかもしれない。
正倉院にある白瑠璃碗は、希少な物だそうだ。
ルイス・C・ティファニーは、有名な工芸家。
トリックは、お皿の回転。
なかなかの曲芸。そんなにうまく回せるかなぁ。危なくて実践する気にもなれないが。
『ガラスが割られても驚いていない勝野』を物語の頭に持ってくる演出もいいね。まぁそのせいで七瀬は、時間を巻き戻す能力を得たわけですが(笑)。
⑰へ
⑲へ
コメント欄