ミステリー界の超有名作品。
正直申し上げます。ネタバレなしで最後まで読みましたが、初見では意味がよくわかりませんでした……。
タイトル | 殺戮にいたる病 |
著者 | 我孫子武丸 |
発行者 | 鈴木哲 |
初版発行 | 1996年11月15日 |
ものすごい紹介しにくい、推理小説界屈指の猟奇的作品
ミステリー好きにはおなじみの、そうでない人でも、題名ぐらいは耳にしたことがあるのではないでしょうか。
初版発行はずいぶん前ですが、今でも最寄りの本屋に行けば、普通に売っていると思いますよ(2017年に、新装版が出てるみたいですね)。
紹介しようと思って記事を書いているのですが……。内容に触れにくいんですよね。以下その理由。
理由その1 生理的嫌悪感、待ったなし
作中、シリアルキラーによる殺人が何度も繰り返されるのですが、そのたび、情け容赦ないエログロ描写がなされます。
その手のタイプに耐性がないと、読んでて顔がゆがむと思います。ネットでこの作品の感想を見て回ったのですがやはり、グロすぎる、というものがけっこうありましたね。
詳細はここでは書けませんが、いろいろ切り取ります遠慮なく切り取ります、とだけ言っておきます。
理由その2 有名になるだけのことはある、画期的なトリック
個人的には、こちらの理由で紹介文を書きにくいんですよね。重大なネタバレはしませんが、まっさらな状態でこの作品を読み始めたい場合、ここより下は、読まないほうがいいかもしれません。
少しでも知りたくない人は、ブラウザバックでお願いいたします。
後悔しないようにね。
よろしいですか?
では、ほんの少しだけ内容の話を。
本作では、叙述トリックがしかけられています。
叙述トリックとは、ミステリーの手法の1つです。簡単にいうと、先入観や常識の逆手をとって、作者が意図的に読者をだますトリックのことです。
たとえば、男だと思っていたら実は女、若いと思わせといて実は高齢。こういったものが、叙述トリックと言われます。
そのトリックの性質上、「この小説には叙述トリックがしかけられている」、という情報が、すでにかなりのネタバレになってしまうのです。
そんなこと事前に言われたら読者は、警戒レベルを跳ね上げた状態で読書するハメになりますからね。
じゃあなんで叙述トリックがあることを今言ってしまったかというと、それがわかっていても、この作品のトリックを初見で見破るのはかなり難しいからです。
私が最初に「殺戮にいたる病」を読了して思ったことは、意味がわからん、でした(笑)。
だいたいの人は巻末の数行を読んで、おー、と感嘆するのかもしれません。
私は首をかしげてましたね。どういうこっちゃ、と。
その直後ネットで意味を調べて、そういうことだったのか! と時間差で理解できましたが。ちょっと、読解力なさすぎましたでしょうか……。
傑作であることはまちがいなし!
内容の是非はともかく、ミステリーの有名作品だけあって読みごたえがあるのは間違いありません。
ぜひともネタバレをネットで調べる前に、ご自身の目ですばらしい叙述トリックを体験することをオススメします。
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