【マジック&マジック】燈馬を驚かせる方法? マジシャンが決してやってはいけない失敗とは。 & 【レッド・ファイル】世界で1番売れている物は世界で1番うまいもの? 殺された銀行会計士の謎。
タイトル | Q.E.D.証明終了(32) |
著者 | 加藤元浩 |
レーベル | 講談社コミックス |
初版発行 | 2009年1月16日 |
あらすじ
マジック&マジック
燈馬を驚かせたら勝ち
マジックショーを見に来た燈馬と水原。どんなマジックでも、燈馬は驚かない。「君には驚きが足らんな」目を付けられた燈馬は、マジシャン黒法子の楽屋に呼ばれ、勝負を挑まれた。「君を1度でも驚かせたら、その本を譲れ」と。その本とは、燈馬が古本屋で買った本のこと。いいですよ、と燈馬は勝負を了承。黒法子の知り合い、首桐は彼から秘蔵のトリックをよこせと脅され──。
レッド・ファイル
燈馬の知り合いに警察の手が
鳥杉銀行の会計士、石尾が殺された。室内は荒らされており、ファイルのようなものが盗まれた痕跡が。ファイルを取ったのは、フライヤという女性かもしれない。フライヤは燈馬の知り合いであり、金融工学の天才と謳われた女性。鳥杉銀行は今、サブプライム問題で大損害を被っていた。その責任を、チーフ・プログラマーであるフライヤに押し付けようとしている最中だったが──。
Q.E.D.証明終了(32) (講談社コミックス月刊マガジン)
—以下ネタバレ感想—
犯人、トリックについても言及しています。
ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。
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マジック&マジック
満足していただけましたかな? これぞ誰も見たことのないマジック!
私がどうしてもやりたかった……。タネを明かしても喜ばれるマジックです。
犯人は、黒法子、首桐、日和、そして水原。
水原が黒法子の協力者だった。
すべては燈馬を驚かせるための、4人による狂言だったのだ。
金庫から盗んだ方法は、なんてことはない。
水原が犯人なのだから、暗闇状態で鍵を開けノートを取っただけだったのだ。
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珍しく燈馬が、一泡ふかされるお話でした。
密室状態でノートが盗まれたら、いつもの燈馬なら1番に、一緒にいた相手を疑うでしょう。
水原が窃盗したとは微塵も考えていない当たり、燈馬の彼女に対する信頼の高さがうかがえますね。水原は逆に、その燈馬のスキをついたというところでしょうか。
燈馬君、女性不信にならなきゃいいけど……。
マジックのタネは知りたいけど、やっぱり知らない状態が1番楽しいのかもしれない。
と思いつつも、テレビとかで種明かしマジックとかやってると見てしまうんですけどね(笑)。
とはいえ最近、あんまりテレビで手品特集とかやらなくなった気がする。一時期、結構多かった印象があるのですが。
1日に24回できる時計のマジック、結構好き。
人体切断マジックって、血って出ましたかね? だいたいブロックの切れ目みたいなところ斬って台座を動かすものだと思ってた。
血のりであろうと、赤い液体が噴き出てきたら結構びびると思う。例え、マジックだとわかっていても。
それにしても暗闇の中、暗証番号を打ち込んだうえで書類を持ち出しかつ隠すことのできる水原は、いまさらながら度胸があるというかなんというか。
難癖つけるわけじゃないけど、燈馬が驚いてるシーンってわりとありますよね。主に水原が突飛な行動を取ったときとかですが。
レッド・ファイル
あるだろ! 自分で言ってたでしょ!
桜みたいに潔く散ってみせろよ!!
犯人は、目橋。
このネタに人生をかけていた目橋は、石尾宅に侵入。部屋を荒らし隠れる。
帰宅した石尾は物取りに入られたかと思い、重要なファイルが無事かどうか確かめる。
そこで隠れていた目橋が出てきて、ファイルの取り合いに。
その最中、石尾を突き飛ばして殺してしまったのだ。
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金融の話はちんぷんかんぷんでございます、はい。
私には一生、縁のない世界であってほしいと心から願います。
ブラック・ショールズ方程式とか、見ただけで失神できそう。
伊藤の定理とか、みんな知ってるんですかね。
そんな難しいことは横に置いておいて、触れなくてはならないことが2つほどあります。
1つは、月賀ファイナンス社長、月賀頼男。
1度は見たことがある人も多いかもしれない。
「このハンバーガーとコーラは世界で1番売れている。だから世界で1番美味いものに決まってるだろ」
のあのシーンは、この巻に収められているんですよ!
たった数コマしか出てこないのに、かなりのインパクトを残して行きましたね、この人。
月賀を犯人にできなくて、水原は残念そうでした。
美味しくても、ジャンクフードの食べすぎは良くないよ!
もう1つの見どころは、恰好悪く言い訳する銀行の部長に水原が一喝するシーンでしょう。
「桜みたいに潔く散ってみせろよ!!」
人生で1回くらい言ってみたいセリフですね。
燈馬と水原警部の表情がなんともいい。
ところで水原は今回、どんな身分を偽って銀行に入ったんだろう? ちゃんと書いてあったかな。
「際限のない人間の欲望と、無責任な責任」
金融の世界を支配する怪物を、フライヤはそう言いました。
1年後。
ハイリスク・ハイリターンのレッド・ファイルを選んだ顧客を見て、フライヤは何を思ったのか。
以上、Q.E.D.証明終了。
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