17年間、昏睡状態だった叔父が目覚めた。彼は異世界から帰還したのだ!
タイトル | 異世界おじさん |
著者 | 殆ど死んでいる |
レーベル | MFC |
初版発行 | 2018年11月21日 |
今はやりの異世界もの、かなぁ……
最近、異世界ものすごいですよね。
ネット小説は異世界であふれかえり、マンガ化はもはや当たり前。アニメ化される作品も、今じゃ珍しくなくなってきましたね。
この記事を書いてるときも、『転生したらスライムだった件』のテレビアニメが絶賛放映中ですよ。
『転スラ』はマンガの売り上げも凄まじいようで、名だたるマンガをおさえて売り上げ上位に食い込んでいるらしい。

2018年コミック売り上げのトップ10に入ってるんだって。すごいよね!
私個人は、意外と異世界ものの書籍、あんまり持ってないんですよねぇ。ぱっと思いつくのはせいぜい『ゼロの使い魔』、ちょっとずれてるかもしれないけど『はたらく魔王さま!』くらいかな。
まぁちゃんと探せばもっとあるかもしれませんが……。
あっ、いや、よく考えたらマンガじゃないけど、私がよくやってるブラウザゲーム『政剣マニフェスティア』も、異世界ものではあるのか。
異世界召喚されたプレイヤーが総理になってヤトーと戦うゲームなはず。そういう意味では私も異世界ものにハマっている1人だったのか……。
閑話休題。
とにかくマンガとしての異世界ものは、私はあまり触れたことがなかったのですが、ネットでちらっと見たことのある今作が、書籍化されたということで買ってみました。
タイトル『異世界おじさん』です。
さえないおじさん、目覚める
17年前、トラックに轢かれて昏睡状態だったおじさんが目を覚ました。
その報告を受けたおじさんの姉の子供、つまり甥にあたる少年が病院を訪ねるところから物語は始まります。
おじさんの処遇を巡り、家族は罵詈雑言を浴びせ合う大荒れ模様。一家離散の悲劇を迎えてしまいました。
とんでもなくシリアス一直線な展開になりそうですが、悲壮感ただようのはここまで。
なんとおじさんはトラックにはねられたとき、異世界に飛ばされていたのだ!
異世界で使えた魔法は、こちらの世界でも使用可能。
2人はさっそく魔法を使った動画をユーチューブにあげ、広告料をゲット。
さえないおじさんとぱっとしない甥。
2人の奇妙な共同生活が始まりました。
目覚めた世界にSEGAは……
『こち亀』や『笑っていいとも!』が終了していたことに驚愕するおじさんですが、一番ショックだったのはSEGA関連だったようです。
SEGAがゲーム戦争で負け撤退したことをしるやいなや、魔法を使って脳から記憶を消去してしまいます。
セガサターンのソフトランキングを見て、好きなゲーム『ガーディアンヒーローズ』が197位だったことにガチギレ。ベランダから外に出て、雷轟を響かせます。
どんだけSEGAが好きなんだ(笑)。
異世界でのおじさん
異世界に行ったからといって、容姿がよくなるわけではなかったらしい。
オークの亜種としてボコボコにされ、狩られかけたそうです。
また異世界ものお得意の、現代科学無双を見せつけるも、宗教的にまずかったようで吊るされかけたそうな。
しかもすげぇ嫌な女にストーカーされたという。甥は詳しく聞いた。
- 毎日まとわりついてきて嫌がらせ。何をやっても人格否定、罵倒してくる。
- 初めて会ったときも魔物から助けてあげたのに礼もない。
- 「誰も助けてなんて頼んでないわ触んないで」と言われる。
- 「あんたのために助けたんじゃないわ。勘違いしないで」とも言われる。
- 「あんたみたいなオーク顔と一緒にいて吐かないでいてあげられるのは、あたしぐらいなものね」と罵倒? される。
それはツンデレだよ、と甥はツッコみたかった。

ツンデレさん、気付いてもらえなくてかわいそう……。
ツンデレの概念が一般化したのは、おじさんが旅立った4年後だったのだ。
普通の異世界ものではないけれど
表紙はかわいらしいツンデレエルフ。
さすがにむさくるしいおじさんと、はえない甥では表紙はまかせられなかったか(笑)。
異世界系マンガは作画のあたりはずれが多いイメージですが、今作の作画はけっこうきれい。
かわいらしいところはとことんかわいらしく、むさいおじさんは本当にむさく見えます。甥のツッコみ顔も笑えます。
ネットに慣れてなく煽り耐性0のおじさんと、見た目普通だけどツッコみの才能はある甥。
でこぼこメガネコンビのおくる、異色の異世界ギャグマンガ。
ぜひ一度、目を通してみてはいかがでしょうか。
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