【ゴンドラ】ゴンドラから落ちた男性。事故か、殺人か。 & 【ライオンランド】マサイの戦士が死んだ理由。悲しみを消す薬は存在するのか。 & 【兆し】文化大革命の悲劇。トウガラシのお守り。
タイトル | C.M.B.森羅博物館の事件目録(26) |
著者 | 加藤元浩 |
レーベル | 講談社コミックス |
初版発行 | 2014年6月17日 |
C.M.B.森羅博物館の事件目録(26) https://t.co/ryRBE9vTHU
— ウエスト記伝 (@west_kiden) February 6, 2019
あらすじ
ゴンドラ
指輪の行方
何度も金の無心に来る義理の弟、芝浦に困っていた荒井は一計を案じる。別荘に芝浦を呼び出し、あるゲームを提案したのだ。それはゴンドラから飛び、無事だったら金を貸すというもので──。
ライオンランド
マサイの戦士の死
マサイマラ国立保護区にやって来た森羅。保護区の奥地にいるガンビットという医者に会うために、指輪の力を貸してほしいそうだ。ガンビットは悲しみを消す薬を持っているといわれ──。
兆し
文化大革命
博物館にやって来た香港経済界の大物、趙。森羅が北京で買った、ガラスでできたトウガラシのお守りを売ってほしいという。そのお守りには、中国で起きた悲劇と関係があり──。
—以下ネタバレ感想—
犯人、トリックについても言及しています。
ぜひ実際読んでから、スクロールしてくださいね。
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ゴンドラ
自分が死んであなたまで逮捕されたら、妹さんは1人ぼっちで子供を育てることになる。
だから死の間際に証拠の指輪を呑み込んだ。
犯人は、荒井。
脅迫じみた事をしてきたので、殺害したのだった。
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倒叙式のお話。
ゴンドラという大道具、ゴンドラ間の移動がスパイ映画並み、停電させる準備と大がかりな仕掛けが多かった印象だけど、動機が少し弱い気がしなくもない。
芝浦も脅迫みたいな事をしないで、赤ちゃんを授かったと素直に言えばよかったものを。
「この子のために働く!」と意気込んでいた割に、あやしげなキノコの販売に手を出そうとしていたのか……。普通にアルバイトでもしてた方が健全だったろうに。
七瀬は涼しい顔をしてやってのけていますが、鉄塔からゴンドラに飛び移るのは一般人には相当きついと思う……。
ライオンランド
外の世界はどうなっちまってんだ?
犯人は、エリック。
密漁がバレそうになって、殺害したのだった。
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これでもかというほどライオンが出てくるお話。
動物学者が密漁に加担していたという、とんでもないストーリーでした。
舞台は、マサイマラ国立保護区。
日々、密猟者との闘いが繰り広げられているらしい。
保護する事によって希少価値があがり密猟がさらに増えるというのは、なんとも皮肉な話。とはいえ保護しなかったら、今度は激減への道をたどるだけという。なんとも難しい問題です。
マサイの戦士は、一時期日本のテレビでもよく取り上げられていました。
マサイ族と聞いて最初に思い浮かぶのは、驚異の視力の持ち主という事。あとジャンプ力がすごいという事かなぁ。
そういえば昔、”マサイの戦士”とかいう怪しげな飲料が販売されていたような……。一体、どんな味がしたんだろう?

おいしいのかな?
原理的には可能だそうですが、ガンビットは悲しみを忘れる薬を持ってはいなかった。「心が痛くなるほど思い出をくれて去った人間に……礼を言え」というのがなんとも印象深い。
ただガンビットの恰好に、どうしても視線が行ってしまう(笑)。
これだけライオンが出てくるし、絶対七瀬と一戦交えるかと思いきやそんなことはなかった。さすがにヒロインが、保護区で大暴れするのはまずいと判断されたか。
兆し
大事なモノは失わなかった。
それを失う前にあなたは……兆しを見つけたのだと。
かつて中国で起こった悲劇、文化大革命を扱ったお話。
毛沢東の行った政策は、大躍進政策。
数千万もの餓死者を出したと言われているらしい。
話の都合上仕方ないとはいえ、七瀬が文化大革命を全く知らないのは少し違和感がある。一応、名門校に通っているはずでは?
幸せな少年時代を見てから、両親をボコボコに殴りつけるシーンを読むのはなんともきつい。それでも生き残っただけマシ、というのだから当時の中国がいかにアレだったかを思わせる。
塞翁が馬、は日本でも有名。
トウガラシのお守りは、一部地域では重宝されているらしい。
親殺しの一線を越えることがなかったのは、親がくれたトウガラシのお守りのおかげだったというのはなんとも運命的です。
密猟問題や中国の歴史など、ちょっと重いお話の多かった巻でしたね。
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